2025年11月21日付の「J-castニュースビジネスメディア」が、

『外国人観光客に「ランチタイム来店遠慮して」 富士そば店舗の貼り紙が波紋、運営会社は撤去指示「失礼だった」』

と題した記事を報じていました。

 

個人的には、お店の運営方針があり、客層を選択することは悪いことだとは思いません。

例えば、京都の料亭なら「一見さんお断り」は当たり前ですが、「排他的」と思う人は少ないでしょう。

ただ、富士そばは、チェーン店であり、外国人観光客にも広く知られたお店なので、貼り紙による影響を考慮した工夫は必要だったのかもしれません。

以下にこの記事を要約し、「富士そば」の改善点を考察しました。

 

《記事の要約》

関東を中心に展開する「名代富士そば」の店舗で、旅行者に対し「ランチタイムの来店をご遠慮ください」と呼びかける貼り紙が掲示され、SNSで議論が広がっている。投稿は2025年11月20日にXに掲載され、4万件近い「いいね」を集めた。

 

貼り紙には「Notice」と大きく書かれ、日本語・英語・中国語・韓国語で同じ内容が記されていた。文面は「旅行者の方はランチタイムの来店をご遠慮ください。

当店は、この近辺で働く人・学ぶ人を優先します」。場所は東京都港区の神谷町店で、ランチ時の混雑により「外国人客が増えて利用しにくい」という意見を受け、店が独自に掲示したという。

 

投稿には賛否が寄せられた。好意的な声には、「大きなスーツケースで混雑が増す」「長居されると回転率が落ちる」「地元客優先は当然」と理解を示すものが多い。一方で、「排他的に映る」「表現がきつい」「『ランチ以外に来て』と柔らかく書くべき」といった批判もあった。

 

運営会社ダイタンミールは11月21日、J-CASTニュースの取材に対し「お客様への表現として不適切」として貼り紙の撤去を指示したと説明。店舗の判断による掲示であり「管理不足だった」と謝罪した。

外国人向けメニューを揃える店もあるが、同社は「基本は庶民的価格帯が主力」としており、旅行者と地元客のバランスに悩む姿が浮かび上がる。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<富士そば」が来てほしい客層にするために工夫すべきだった点>

 

今回の問題は、

「排除のメッセージに見える貼り紙」**が発端だった。

しかし、富士そばが本当に守りたかったのは、

“短時間で食事を済ませたい近隣のビジネスパーソン”というコア顧客である。

では、どのように工夫すれば、彼らを優先しつつ、外国人観光客から「排除された」と受け取られない運営ができたのか。

 

①   「行動」を対象にしたルール化(時間制・席利用制限)

問題は「観光客」ではなく「長居や大荷物で回転率を下げる行動」である、という点である。

したがって、富士そばが打つべきだったのは

 

「30分以内のご利用をお願いします」

「食事後の長時間の滞在はご遠慮ください」

「混雑時間帯は大きな荷物の持ち込みをお断りする場合があります」

など、

属性ではなく“行動”に対するルール設定である。

これならビジネス客にも観光客にも公平で、排他性の印象も薄まる。

 

②ランチタイムの“利用ルール”の見える化

たとえば、

食券購入〜提供〜退店の流れ

混雑時の席の詰め方

「席確保は食券購入後」などの店内ルール

を多言語で掲示する。

 

「郷に入れば郷に従え」という意見10の通り、外国では長居が普通の国も多い。

日本式「回転率文化」を明確に伝えることは、排除ではなく“文化案内”に当たる。

 

③“ランチタイム限定の方針”をもっと丁寧に説明すべきだった

貼り紙の直接的な表現は、「旅行者は来るな」と受け取られやすい。

しかし本質は「ランチタイムだけは地元客を優先したい」という話。

柔らかい文面にすれば、反発は大きく減ったはずだ。

例えば、

「ランチタイムは近隣で働く方の利用が集中します。

快適にご利用いただくため、混雑時はお待ちいただく場合があります。」

このような表現なら排他性を感じさせにくい。

 

④店舗ごとに柔軟な“ゾーニング”も検討できた

観光客向けメニューがある店も存在する。

ならば、

立地ごとに「観光客向け」「ビジネス客向け」の時間帯・導線を分ける

という選択肢もあった。

 

大行列が日常の秋葉原店と、回転率が命の神谷町店では、優先してほしい客層が明確に異なる。

本部が一律に判断するのではなく、

店舗ごとの最適解を本部が制度として支える仕組み

が求められた。

 

⑤“排除ではなく共存”を掲げる広報戦略

外国人観光客が増え続ける中、

「日本の大衆食文化を体験したい」というニーズは世界的にも高い。

富士そば側が、

・ランチタイム以外に来店を促すメッセージ

・利用ルールの丁寧な説明

・旅行者向けガイドの多言語化

を発信すれば、

旅行者も地元客も満足できる共存モデルが確立できたはずだ。

 

<結論>

富士そばが工夫すべきだったのは、

“誰が来るか”ではなく “どのように利用するか” に焦点を移すこと。

行動ルール化・ランチタイム文化の説明・柔らかい文面・店舗ごとの最適化によって、

地元客を守りながら、観光客にも理解される運営が可能だった。

 

必要以上に排除と受け取られないための「伝え方」「仕組みづくり」が、

チェーン店としての信頼維持には不可欠である。

 

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