2025年11月4日付の読売新聞オンラインが、

『クマ出没急増、初の2万件超え・6000頭捕獲…今年度上半期は過去最悪のペース』

と題した記事を報じていました。

森林総合研究所 東北支所 動物生態遺伝担当チーム長の大西尚樹博士のワイドショーでのコメントの受け売りを含め、個人的には、現状は、

・各自治体が把握している以上にクマが生息してる

・ハンターの高齢化によりクマの狩猟数が減少している

・狩猟免許があっても、登録者は高齢化により減少している

といった状況なのだと思います。

しかも、自治体からの駆除要請で得られる報酬は低く、したがって、小諸市が取り入れたように通年で常勤の「公務員ハンター」を雇って、クマの個体数を管理し、マナーの悪いハンター(例:高齢化で仕留めた鹿やイノシシの一部を山に放置し、クマが肉の味を覚える)や山奥と里山の境界をクマにしっかりと認識させる(例:里山の手入れをして、隠れ家をなくし、人間は怖いことを認識させる)といった管理をするしかないと思います。

そして、こうした取り組みへの国の自治体への補助予算についても政治決断で、整備すべきでしょう。

以下に、この記事を要約し、クマの市街地への出没を防ぐ対策について考察しました。

 

《記事の要約》

環境省は2025年11月4日、今年度上半期(4〜9月)の全国のクマ出没件数が速報値で2万792件に達したと発表した。

これは2024年度同時期の1万5832件を大きく上回り、2009年以降で最悪のペースという。

捕獲数も6,063頭で、2006年以降の上半期として最多となった。

北海道を除く都府県別では岩手が最多の4,499件、続いて秋田4,005件、青森1,835件、山形1,291件。

東北地方だけで全体の6割超を占める。捕獲された6,063頭のうち5,983頭が駆除で、秋田県では捕獲数が既に約1,000頭に達したと県当局は説明。

「危険が生じている以上、上限を超えても対応せざるを得ない」との声が出ている。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<クマの市街地出没を防ぐ各対策>

 

近年の出没急増は、個体数増加と餌場の変化、狩猟者の減少や管理の手薄さが複合した結果と考えられる。

短期的には「人身被害の防止」を最優先に、即効性のある対策を講じる必要があるが、同時に長期的な個体管理と生態系の均衡を視野に入れた総合戦略が求められる。

 

第一に人的被害を減らすための物理的防護。電気柵や堅牢なごみ集積所、果樹園・畑地への防護柵設置は効果が確認されている。

自治体や農業団体への補助金を拡充し、導入コストを下げることが急務だ。夜間照明や音声・光の威嚇装置、餌付け防止のための野外ゴミ管理徹底も重要で、住民向けの具体的なマニュアルと通報体制(目撃→警戒→誘導)の周知を図る。

 

第二に個体数管理。狩猟人口の高齢化と減少を踏まえ、小諸市の例のように常勤の「公務員ハンター」や専門捕獲班の設置を検討すべきだ。

駆除報酬や手当の見直しで若手の参入を促すとともに、捕獲と放獣の判断基準、上限設定の見直しを地域実情に合わせて柔軟化する必要がある。

罠や一時捕獲→標識付与→個体動態把握といった科学的管理も並行して行い、無秩序な過剰駆除を避ける体制を整える。

 

第三に生息環境の管理と復元。

里山の手入れ(下草刈り、立木間伐)でクマが隠れにくくし、人里と山林の境界を明確化する。

餌資源(特に人由来の餌)を減らすことで人里への誘引を抑制する。山林側の植生管理や餌場の保全も、長期的な個体移動の抑止に寄与する。

 

第四に社会的・経済的対策。駆除した個体の有効活用(毛皮や食材の地域資源化)を慎重に検討すれば、地域産業と結びつけて住民理解を得やすくなる。

ただし倫理・衛生・流通の基準整備と、情報発信の配慮が必要だ。地域間での情報共有と広域的な協調(目撃データの共通プラットフォーム、専門家ネットワークの整備)も不可欠である。

 

最後に政策的決断。

迅速な財政支援、人員配置、法的な捕獲ルールの柔軟化と監督を政治レベルで判断する必要がある。

単に出没個体を撃つだけでなく、「なぜ増えたか」「どう戻すか」を示す長期計画を示すことが、住民の安心と生態系の持続可能性を両立させる鍵となる。

 

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