組織が定めた環境方針・目標に対し、原料調達から製造・物流・廃棄までのライフサイクルで「どれだけ環境負荷を低減できているか」を定量・定性的に示す指標が環境パフォーマンスです。
ISO 14001では電力、水、廃棄物、温室効果ガス(GHG)などを“環境側面”として把握し、KPI化→モニタリング→継続的改善(PDCA)することで環境パフォーマンスを高めることができます。
《環境パフォーマンスの具体例と取組み方》
以下に、食品製造業に特有の著しい環境側面の具体例と、それに対する実践的・制度的に正当な取組み方を示します。
1)エネルギー使用量(電力・蒸気)
<課題>
ボイラーや冷凍機の連続稼働でkWh/t製品が高止まり。
<取り組み>
スマートメーターで工程別エネルギーを可視化し、排熱回収ヒートポンプを導入。
ピーク制御と夜間電力活用で年間電力10%削減。
2)水使用量と排水負荷(BOD・COD)
<課題>
ライン洗浄に大量の水を使用し、高濃度排水が発生。
<取り組み>
Foam-in-Place洗浄で水量40%削減。
排水は嫌気+膜分離で処理し、処理水を冷却塔補給水へ再利用、BOD 90%低減。
3)食品ロス・副産物
<課題>
歩留まりロスや賞味期限切れ品が月5 t発生。
<取り組み>
AI需要予測で生産計画を毎日最適化。
規格外品をアップサイクル粉末へ転換し、ロス比率を3%→1%に縮小。
4)包装材(プラスチック・紙)
<課題>
多層ラミネートによる再資源化困難と使用量過多。
<取り組み>
モノマテリアル薄肉フィルムへ変更し、製品強度をFEM解析で保証。年間プラ使用量を25 t削減し、再生材利用率30%達成。
5)GHG排出(Scope 1-3)
<課題>
ボイラ重油・冷媒漏えい・原料輸送でCO2が多い。
<取り組み>
バイオマスボイラへ転換、低GWP冷媒採用、原料を近隣契約栽培へ切替え。
自社排出を0.18→0.12 t-CO2/t製品、輸送由来も15%削減。
6)騒音・臭気
<課題>
排気ファンの低周波騒音と発酵臭で近隣苦情。
<取り組み>
周波数制御ファン+サイレンサーで3 dB低減。
バイオフィルタとオゾン酸化で臭気指数20→9に抑制し、苦情ゼロを維持。
<まとめ>
食品製造業の環境パフォーマンス向上は、資源コスト削減・法規制順守・ブランド価値向上を同時に実現する経営課題である。
ISO 14001の下で「見える化→数値目標→改善策→外部発信」を繰り返すことで、消費者が安心して選べる“サステナブル食品”への進化を加速できるのです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ964号より)
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