日刊スポーツが2025年9月15日付で、
『【世界陸上】月間走行1380kmは東京~鹿児島までの距離…サークル出身の小林香菜が世界7位に』
と題した見出しの記事を報じていました。
筆者は、世界陸上女子マラソンをテレビ観戦していましたが、ストライド走法全盛の今のマラソン界において、小林選手のピッチ走法は異色で、淡々と自分のペースを刻む走りに、テレビの前で釘付けになりました。
ちなみに、群馬出身の小林選手は、中学生時代に1学年下の不破聖衣来選手(現三井住友海上女子陸上部所属)と県大会で競い合っていたそうです。
それにしても、「スタミナ勝負」と言われる夏マラソンで結果を出す選手は、「愚直に距離を踏んだトレーニングをした選手」なのかもしれません。
男子代表では、青山学院出身の「吉田祐也選手」が「練習の虫」と言われているので、期待したいと思います。
以下にこの記事を要約し、夏マラソンに強い選手の特徴と練習方法について、考察しました。
《記事の要約》
<サークル出身の小林香菜選手、世界選手権で7位入賞>
2025年9月14日、東京・国立競技場発着で行われた世界陸上女子マラソンで、小林香菜(24=大塚製薬)が2時間28分50秒で7位入賞を果たしました。
日本女子の入賞は2019年ドーハ大会の谷本観月選手以来3大会ぶりです。
高校時代はケガで不遇を経験し、早稲田大学では陸上部に所属せずランニングサークルで活動。それでも「走ることが好き」という情熱で実業団入りを直談判し、わずか1年半で世界の舞台に立ちました。
7月には月間走行距離1380kmを記録し、かつて金メダルを獲得した野口みずきの練習量を上回りました。
その努力はレース後半に結実。
24km過ぎに11位まで順位を落とすも、35kmで8位、40kmでさらに1人を抜き、最終的に7位でゴールしました。
小林は「練習を信じて走った結果がこの順位。声援は頭が痛くなるほどで本当に力になった」と涙を流し、観客と仲間に感謝を伝えました。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<夏のマラソンに強い選手の特徴と練習法>
マラソン界では「走った距離は裏切らない」という言葉があります。
小林選手の1380kmという圧倒的な走行距離は、まさにその象徴です。
特に夏場のレースでは、厳しい気候条件を克服するために、距離だけでなく質の高い練習と体質が重要になります。
1)暑さに強い体質と適応力
夏のレースは高温多湿で体力の消耗が激しく、体質的に暑さに強い選手が有利です。
汗を効率的にかき、体温上昇を防ぐ能力を持つ選手は、他の選手が失速する中でもペースを維持できます。
小林選手も「暑さに強い体質」が入賞の大きな要因でした。
2)夏場の走り込み
夏場は気温が高いため、長距離練習は早朝や夕方に行われます。
小林選手は7月に1380kmを走破し、これは1日平均45km以上に相当します。
この「愚直な走り込み」により、心肺機能や脚筋力が鍛えられ、後半の35km以降での粘りにつながります。
距離を積むことで自信がつき、レース後半での逆転劇を生み出す基盤となります。
3)ピッチとストライドの効率化
同じピッチでストライド(歩幅)をわずかに広げるだけでタイムは大幅に改善します。
夏場は気温で体力が奪われがちですが、効率的なフォームを保つことで無駄なエネルギー消耗を抑えられます。
小林選手も後半はピッチが落ちず、抜き返しの原動力となりました。
4)練習の質を高める「鬼ごっこ」感覚
小林選手は世界大会を「鬼ごっこ」と表現しました。
これは精神的な柔軟さの象徴であり、苦しい場面を楽しむ力ともいえます。
夏の厳しい練習を乗り越えるには、単に距離をこなすだけでなく、「遊び心」や「楽しさ」を持ちながら取り組むことが継続の秘訣です。
<まとめ>
夏のマラソンで勝つためには、走り込み量・暑さへの適応・効率的なフォーム・精神力が不可欠です。
小林選手の快走は、愚直に積み上げた走行距離と、暑さを克服する体質、そして苦しい場面を楽しむメンタルが生み出したものです。
これからの日本マラソン界は、冬の記録だけでなく、夏の大会に強い選手を見極める新たな選考基準が求められるでしょう。
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