2025年9月7日付の新潟日報が、

『「もう限界」名物100キロマラソン次回大会で終了へ ボランティア確保難しく、事業費増 ウルトラマラソンのニーズも変化か』

と題した見出し記事を報じていました。

 

筆者は、東日本大震災の翌月から、中年太り対策でランニングを始め、コロナ禍の3年間を除き、未だに継続している数少ない趣味のひとつが「マラソン」です。

東京マラソンのようなメジャーな大会は、スポンサーやボランティア希望者が多く、運営は安定していると思いますが、自治体が主催者ではない大会の多くの大会事務局が、大会運営に苦慮していると聞きます。

 

以下に、この記事を要約し、マラソン大会の課題と今後の展望を考察しました。

 

《記事の要約》

<えちご・くびき野100キロマラソン大会が終了に至る背景>

新潟県上越市で隔年開催されてきた「えちご・くびき野100キロマラソン」が、2026年秋に予定される第16回大会をもって終了することが決まった。

1996年に上越地域14市町村の一体感醸成と地域振興を目的に始まった大会は、各地域の特産品や料理を提供する温かい「おもてなし」が特徴で、全国ランニング大会100撰にも選ばれるなど人気を誇ってきた。

 

2018年の第12回大会では台風で中止となったが、過去最多の2,761人がエントリーし、ボランティアも約3,700人が参加する盛況ぶりだった。
しかし、市内全域を舞台にする大会運営は膨大な人手を要し、人口減少と高齢化でボランティア確保が年々難しくなっていた。
さらに新型コロナ禍を経て参加者数も減少。
合併20年を経て当初の目的が薄れ、ウルトラマラソン自体のニーズ低下や物価高による事業費増大も重なり、存続が困難となった。

 

実行委員会は「継続」「終了」の2案を提示。
議論の結果、「規模を縮小するとおもてなしの質が下がり、評判が落ちる」「もう限界だ」といった意見が多く、36人中22人が終了案を支持した。
実行委員長の木浦正幸氏は「苦渋の決断だが、有終の美を飾りたい」と語った。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<マラソン大会運営の課題と今後の展望>

 

1)ボランティア不足という構造的課題

地方のマラソン大会は多くのボランティアによって支えられてきたが、人口減少と高齢化により担い手が急速に減少している。
特に100キロマラソンは広域を長時間にわたり運営する必要があり、交通整理や給水所、エイドステーションの運営など、膨大な人員が求められる。

これまでのボランティアは50代以上の世代が中心だったが、コロナ禍を経て人的交流が減少。若い世代への継承が進まず、世代交代に失敗している現状がある。

 

さらに、地方では草刈りや河川整備など強制的な地域活動が多く、住民の負担感が大きい中で「任意ボランティア」への参加意欲は低下している。
ボランティアを完全に無償で依存する仕組み自体が限界に近づいており、有償化を含む抜本的な改革が必要だ。

 

2)財政難とスポンサー離れ

人口減少は地元企業数の減少や経済力低下も招き、スポンサー確保が困難になる。
開催費用をまかなう財源が縮小し、参加費を大幅に引き上げざるを得ない状況も生まれている。

物価高騰で交通費や運営資材費が上昇する一方で、スポンサー収入は減少。結果的に運営赤字が膨らみ、大会継続が難しくなる悪循環に陥っている。

 

3)地域住民への影響と理解不足

マラソン大会はランナーや観光客には魅力的なイベントだが、コース周辺の住民にとっては交通規制や生活制限による負担が大きい。
住民理解を得られないまま大会を続ければ不満が蓄積し、ボランティア離れにもつながる。
大会運営は「地域振興」と「生活負担軽減」のバランスを取ることが不可欠だ。

 

4)今後の展開と生き残り戦略

今後、地方マラソン大会が生き残るためには、以下のような取り組みが求められる。

 

・大会規模の縮小・多様化

フルやハーフマラソンなど距離を短縮し、運営負担を軽減する。

地域特化型の小規模大会に切り替えることでコストを抑え、地域色を維持する。

 

・ボランティアの有償化・専門人材活用

任意の善意に頼らず、参加費やクラウドファンディングで財源を確保し、交通整理など一部業務を有償スタッフに委託する。

 

・テクノロジー活用による効率化

ドローンによるコース監視、AIを使った交通規制計画など、デジタル技術で運営人員を減らす取り組みが有効。

 

・交流人口創出型のイベント化

単なる競技大会から、観光や地域食文化と融合した「祭り型イベント」に転換し、地域経済への波及効果を高める。

 

<結論>

えちご・くびき野100キロマラソンの終了は、地方イベントが直面する人口減少・財政難・人手不足という日本社会全体の縮図だと言える。

有終の美を飾るラスト大会は、これまでの地域の誇りを象徴する一方で、「地域に根差したイベントはどう存続すべきか」という問いを突き付けている。

地方マラソンの未来は、単なる規模縮小ではなく、地域住民・ランナー・自治体が三位一体となった新しい運営モデルを構築できるかにかかっている。

 

 

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