2025年8月28日付の時事通信社が、
『マイナ免許証、「二度手間」解消 来月からシステム改善 警察庁』
と題した見出し記事を報じていました。
以下にこの記事を要約し、このシステム改善によるマイナ免許証の普及効果など影響と課題について考察しました。
《記事の引用》※筆者が一部編集
マイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」について、警察庁は、2025年8月28日、マイナカード更新時に免許証情報を自動的に反映できる新システムを、2025年9月1日から運用するとし、関連する道交法施行規則を改正した。
2025年3月に始まったマイナ免許証はマイナカードのICチップに免許証情報を記録し一体化したもの。
ただ、現行ではマイナカードと免許証のシステムが接続されていないため、一体化後に有効期限を迎えたマイナカードを更新する場合、新しいカードには免許証情報を書き込めず、利用者が警察署や運転免許センターで改めて手続きする必要があった。
2025年9月以降は両システムが接続され、マイナカード更新時に免許証情報も引き継がれる。警察庁によると、マイナ免許証の利用者は7月末時点で約109万8000人に上る。
(記事の引用、ここまで)
《筆者の考察》
<警察庁のシステム改善とマイナ免許証普及の展望>
2025年9月から、マイナンバーカード更新時に運転免許証情報が自動的に引き継がれる新システムが導入される。
従来はマイナカード更新のたびに警察署や免許センターで再登録が必要で、二度手間が利用拡大の大きな阻害要因となっていた。
今回の改善により「利便性の向上」が実現し、普及拡大に追い風となる可能性が高い。
◆普及拡大への好影響
1)二度手間の解消
これまで利用者が敬遠してきた「再登録の負担」がなくなり、気軽にマイナ免許証を選択できるようになる。
特に2026年の次期マイナカード移行期に向け、スムーズな普及が期待される。
2)行政手続きの一元化
住所変更などの手続きをマイナカードと同時に行える点は大きな利点であり、住民サービスの効率化につながる。
3)オンライン講習の普及
優良運転者は更新講習をオンラインで済ませられるため、免許センター滞在時間を短縮できる。働き盛り世代や子育て世帯にとってメリットは大きい。
◆課題と懸念点
1)高齢者やデジタル弱者への配慮不足
スマホやICカード利用に不慣れな高齢者は、従来の免許証の方が安心という意見が多い。
情報一体化に伴う「操作の難しさ」や「再発行時の不便さ」が普及を阻害する恐れがある。
2)システム障害・カード不良のリスク
マイナカード自体の磁気不良や再発行時、免許証機能まで使えなくなる可能性がある。
この場合、運転資格の証明が途絶するリスクが懸念され、冗長性確保(従来免許との併用)が必要とされる。
3)制度周知の不足
実際に「予約が必要と知らなかった」「メリットが分かりにくい」との声が出ており、広報・案内不足は大きな課題。
普及を進めるには、利用者目線での情報提供が不可欠である。
4)限定的なメリット
現状では「オンライン講習」と「住所変更の一体化」以外の利点が乏しいとの指摘も多い。
更新時の視力検査や写真撮影は依然として免許センターで必要であり、一般運転者には劇的な利便性改善を実感しづらい。
◆影響と今後の展望
マイナ免許証の普及は、「利便性を実感できる層」から進むだろう。
例えば日常的に車を運転しない人やペーパードライバーにとっては、マイナ免許証だけでも十分であり、普及の先行層となり得る。
一方で、毎日運転する人は「従来免許との併用」を選ぶケースが多く、完全移行は時間を要するだろう。
制度の信頼性を高めるには、
1)障害時の代替手段(緊急時の仮免許証発行など)
2)高齢者やIT弱者向けサポート体制
3)流通・利用時のセキュリティ強化
が不可欠だ。
<結論>
システム改善は確実に普及促進につながるが、マイナ免許証が国民にとって「便利で安全」と認識されるためには、制度運用の柔軟性と周知徹底が欠かせない。
警察庁や自治体は「利用者にとっての安心感」をどう提供するかが次の焦点であり、それを誤れば制度不信や普及停滞につながるリスクも残るだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ974号より)
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