環境パフォーマンスとは、組織が環境目標を達成する能力やその成果を測る指標です。

警備業は、オフィス運営、警備車両の利用、監視カメラ・センサー類の電力消費などを通じて環境に一定の影響を与えます。

また、近年ではデジタル技術の活用による省エネルギー対策や、警備員の移動手段の最適化などが求められています。

警備業として環境負荷を削減することで、持続可能な企業経営と社会貢献の両立が可能となります。

以下に、「具体例」と「その取組み方」を詳しく説明します。

 

《具体例と取組み方》

1)警備車両のエネルギー効率向上とCO2排出量削減

警備業では、巡回警備や緊急対応のために警備車両を多く使用します。

これに伴う燃料消費やCO2排出量を削減する取り組みが重要です。

 

・具体例:低排出ガス車・電動車の導入

警備車両をハイブリッド車や電気自動車(EV)に切り替え、燃料消費量と排出ガスの削減を図ります。

 

・取組み方:運転の最適化とエコドライブ推進

巡回ルートを最適化することで無駄な移動を減らし、燃費の向上を図ります。

また、警備員に対してエコドライブ研修を実施し、急発進・急ブレーキの抑制やアイドリングストップの徹底を行います。。

 

2)監視システムの省エネルギー化

警備業では、監視カメラやセンサー、通信機器などの電子機器を多く使用し、電力消費が環境負荷の一因となります。

 

・具体例:省エネルギー型監視カメラ・センサーの導入

LED照明付きの高効率監視カメラや、エネルギー消費の少ないセンサーを採用し、電力使用量を削減します。

 

・取組み方:太陽光発電の活用と蓄電池の導入

オフィスや警備ステーションに太陽光発電システムを設置し、警備システムの電力を再生可能エネルギーで賄うことで、環境負荷を軽減します。

 

3)オフィス運営の環境負荷削減

警備業の事務所では、エネルギー消費や廃棄物が発生します。

これを抑制することで、環境パフォーマンスを向上させることができます。

 

・具体例:省エネルギーオフィスの実現

オフィスの照明をLED化し、高効率空調を導入することで、電力使用を削減します。

また、センサー付き照明を導入し、無人のエリアでは自動で消灯する仕組みを作ります。

 

・取組み方:ペーパーレス化の推進

警備業務の報告書や契約書類をデジタル化し、タブレット端末を活用することで、紙の使用を削減します。

さらに、電子契約を導入し、書類の印刷や郵送による環境負荷を低減します。

 

4)廃棄物の削減とリサイクル

警備業では、制服や装備品、事務用品などの消耗品が発生します。

これらを適切に管理し、廃棄物を削減することが重要です。

 

・具体例:制服や備品のリサイクル・再利用

警備員の制服や装備品の耐用年数を延ばし、不要になったものはリサイクル業者と連携して再利用します。

 

・取組み方:資源循環型のオフィス管理

オフィスで使用する紙やプラスチック製品をリサイクル可能なものに限定し、リサイクルボックスを設置して分別を徹底します。

 

5)環境意識向上のための教育と顧客啓発

警備業では、従業員に対する環境教育を実施し、顧客企業にも環境配慮を促すことができます。

 

・具体例:環境研修の実施

警備員に対して、省エネルギー行動やゴミ削減の意識を高める研修を実施します。

また、警備業務を行う際にエネルギー効率の良い行動を取るよう指導します。

 

・取組み方:顧客企業との連携

警備を担当する企業に対し、省エネルギーや廃棄物削減のアドバイスを提供し、環境負荷低減の取り組みを支援します。

 

6)地域社会との協力による環境活動

警備業は地域社会と密接に関わるため、地域の環境保全活動に積極的に参加することで社会貢献が可能です。

 

・具体例:地域清掃活動や環境保護プロジェクトの支援

警備員が地域の清掃活動に参加したり、植樹活動などの環境保護プロジェクトを支援することで、地域の環境改善に貢献します。

 

・取組み方:CSR(企業の社会的責任)活動としての展開

環境負荷削減の取り組みをCSR活動の一環として社外に発信し、持続可能な企業経営の一部として環境保護を進めます。

 

《取り組みのポイント》

これらの取り組みを効果的に進めるためには、ISO 14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)の導入が有効です。

EMSを活用し、環境目標の設定、具体的な施策の導入、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを通じた継続的な改善を進めることができます。

 

また、警備業は防犯・防災だけでなく、環境保護にも貢献できる業種であり、持続可能な運営を行うことで、企業価値の向上や顧客満足度の向上にもつながります。

警備員の環境意識を高め、日常業務の中で環境負荷を軽減する行動を促すことで、警備業界全体の環境パフォーマンスを向上させることが可能です。

 

環境パフォーマンスの向上は、警備業の社会的責任(CSR)の一環としても重要であり、持続可能な事業運営を進める上で不可欠な要素となります。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ951号より)


 

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