2025年7月30日付の北國新聞が、

『サギ大量死、富山市謝罪 マツ伐採原因「生物に配慮欠いた」 城址公園、すみか失い衰弱か』

と題した見出し記事を報じていました。

記事を読む限り、糞害対策として、サギの住み家となっている樹木を伐採する時期は、富山市としては考慮したようですが、サギの生態に詳しい専門家の意見をしっかり確認するなど、プロセスに問題がなかったか、検証するべきでしょう。

以下に、この記事を要約し、富山市が実施すべき再発防止策について、考察しました。

 

《記事の要約》

富山市の富山城址公園でサギが大量に死んでいた問題で、富山市は2025年7月29日、原因は6月下旬に実施したマツ6本の伐採だったと発表し、謝罪しました。

伐採によって巣を失ったサギの幼鳥が、飛べずに餌を取れず衰弱したことが主な原因とみられます。

 

富山市は「他の場所に移るだろうと考えたが、野生動物への配慮を欠いた対応だった」と反省の弁を述べました。

市役所で記者会見した建設部の沼崎次長、公園緑地課の樫尾課長らは、「市の対応で多くの命が失われ、市民に不安と悲しみを与えたことを深くお詫びします」と謝罪しました。

 

鳥獣保護管理法では、ひながいる巣の撤去には県の許可が必要ですが、市は外見から「巣立った」と判断し、申請を行わず伐採を実施。不適切な対応だったと認めました。

 

このマツ伐採は、サギのふん害が深刻化していたための対策でしたが、6月30日に40羽、7月2日に19羽など、合計107羽の死骸が確認されました。国立環境研究所の調査では、病原体や毒物、水質異常は確認されず、死因は生息環境の急変による複合的要因とされています。

 

市は科学博物館など市内の専門機関の意見を聞き、幼鳥が飛べない状態で親鳥から餌をもらえず、さらに暑さや堀の水による体温低下、外敵による被害などが重なったとみています。

(記事の要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<富山市が実施すべき再発防止策>

今回の富山城址公園におけるサギ大量死は、自治体による自然環境管理の判断ミスが引き起こした深刻な事案である。根本原因は、
1)野生動物の生態に対する理解不足
2)行政手続きの軽視
3)環境影響評価(アセスメント)の不備
にある。
これらを教訓とし、富山市が講じるべき再発防止策は以下の4点である。

 

1. 生態系への理解に基づく意思決定体制の構築

今後は野生動物、とくに繁殖期を迎える鳥類などについて、行動生態を十分に把握したうえで対応すべきである。
そのためには、学識経験者や地域の自然保護団体など外部の専門家を「環境保全アドバイザー」として制度的に組み込み、樹木伐採や巣の撤去等の意思決定を行う前に、生態的リスクの意見聴取を義務化すべきである。

 

2. 鳥獣保護管理法等の法令順守と内部手続の見直し

今回、市は巣にひながいないと独自に判断して県に申請を行わなかった。
これは明確な法令違反である。法的手続きを確実に行うためには、伐採前に現地確認を実施し、その記録を文書化し、第三者機関の承認を得るプロセスが求められる。
また、鳥獣保護に関する法令の研修を全庁的に徹底すべきである。

 

3. 環境影響評価制度(環境アセスメント)の強化

今回のような野生動物の生息地に影響を与える行為には、簡易型でもよいので事前のリスク評価を行う仕組みが必要である。
現行のアセスメント制度では小規模な樹木伐採は対象外となりがちだが、生態系への影響の観点から、新たな「都市公園における自然保全ガイドライン」を策定し、リスク管理の基準を明示するべきである。

 

4. 市民・来園者への情報公開と共生意識の醸成

再発防止には、市民や公園利用者との情報共有も重要である。
樹木伐採の目的や影響を事前に告知し、異論がある場合はパブリックコメントを募る仕組みが望まれる。
また、今回の事案を教材として市立科学博物館などと連携し、野生動物と共に暮らす都市の在り方について教育プログラムを展開することが、共生意識の向上に繋がる。

 

以上のように、富山市は自然環境に対する責任を再確認し、行政運営の透明性と科学的根拠に基づいた政策形成に努めることが、持続可能なまちづくりに不可欠である。


 

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