環境パフォーマンスとは、組織が環境目標を達成する能力や成果を示す指標です。
データベース業は、サーバーの運用やデータセンターの管理、オフィス業務などに伴うエネルギー消費が主な環境負荷となります。
また、機器のライフサイクルやデータの管理方法によっても、環境への影響が異なります。データベース業が持続可能な運営を進めるためには、エネルギー効率向上や廃棄物削減などの取り組みが重要です。
以下に、「具体例」と「その取組み方」を詳しく説明します。。
《具体例と取組み方》
1)エネルギー消費の削減
データベース業では、大規模なサーバー運用が行われるため、電力消費が環境負荷の主要因となります。このエネルギー使用を最適化することが重要です。
・具体例:エネルギー効率の高いデータセンターの構築
データセンターの冷却設備を最適化し、エネルギー消費を削減します。
自然冷却システムを導入することで、空調設備の使用を抑えられます。
・取組み方:再生可能エネルギーの活用
データセンターの電源を再生可能エネルギーに切り替えることで、CO2排出量を削減します。
例えば、太陽光発電や風力発電を活用したグリーンデータセンターの導入が有効です。
2)データストレージの最適化
データベース業では、不要なデータの蓄積がエネルギー消費を増大させる要因となるため、効率的なデータ管理が求められます。
・具体例:データのライフサイクル管理(DLM)の導入
使用頻度の低いデータを自動的に圧縮・削除する仕組みを導入し、ストレージの最適化を図ります。
・取組み方:クラウドストレージの活用
オンプレミスのサーバーをクラウド環境に移行し、データセンター全体のエネルギー消費を削減します。
クラウドサービスプロバイダーのグリーンデータセンターを選択することも環境負荷の軽減につながります。
3)電子機器の廃棄物削減
データベース業では、サーバーやネットワーク機器、ストレージデバイスなどのハードウェアが一定の寿命を迎えた後に廃棄されます。
これらの適切な処理が重要です。
・具体例:サーバー機器のリユース・リサイクルの推進
老朽化したサーバー機器をリユースし、不要な部品をリサイクルする仕組みを構築します。
・取組み方:環境負荷の低いハードウェアの選定
エネルギー効率が高く、リサイクル可能な素材を使用したサーバーやストレージを選定します。
また、サーバーメーカーのリサイクルプログラムを活用し、適切に廃棄する仕組みを構築します。
4)CO2排出量の削減
サーバーの運用や従業員の通勤などに伴うCO2排出量を削減する取り組みも重要です。
・具体例:リモートワークの推奨
従業員のリモートワークを推進し、通勤に伴うCO2排出を削減します。
・取組み方:カーボンオフセットの導入
データベース業務で排出されるCO2を算出し、カーボンオフセットプログラム(植林や再生可能エネルギー事業への投資)を導入することで、環境負荷を軽減します。
5)ペーパーレス化の推進
データベース業務では、デジタル化が進んでいるものの、契約書やレポートなどの紙媒体を使用する場面もあります。
これを削減することで、環境負荷を低減できます。
・具体例:電子契約の導入
契約書や社内文書を電子化し、紙の使用量を削減します。
・取組み方:デジタルワークフローの活用
業務プロセスをクラウド化し、デジタルワークフローを導入することで、紙の削減と業務の効率化を同時に実現します。
6)環境教育と従業員啓発
従業員が環境問題に対する意識を高めることで、職場全体の環境パフォーマンス向上が期待できます。
・具体例:環境研修の実施
定期的に環境負荷軽減に関する研修を実施し、従業員の意識向上を図ります。
・取組み方:社内エコアクションの推進
オフィス内でのエネルギー節約やゴミの分別、エコフレンドリーなオフィス用品の使用を促す取り組みを行います。
《取り組みのポイント》
これらの取り組みを効果的に進めるためには、ISO 14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)の導入が有効です。
EMSを活用することで、環境方針の設定、目標の具体化、PDCA(計画、実行、評価、改善)のサイクルを通じた継続的な改善が可能になります。
また、環境負荷の低減だけでなく、業務効率の向上やコスト削減にもつながるため、企業の競争力強化にも寄与します。
データベース業はITの進展とともに拡大している分野であり、持続可能な運営を進めることで、社会全体の環境負荷低減にも貢献できる重要な業界です。
環境パフォーマンスの向上は、単なる環境対策ではなく、企業価値の向上にもつながる取り組みです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ944号より)
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