2025年7月11日付の「ITMedia」が、
『ファミマ、AI発注で業務を「週6時間」削減 品ぞろえ最適化を推進』
と題した見出し記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、コンビニ経営におけるAI利用の展望を考察しました。
《記事の要約》
ファミリーマートは2025年7月10日、AIを活用した新たな発注システム「AIレコメンド発注」の導入を発表した。
おむすび、弁当、サンドイッチなどの商品の最適な発注数をAIが自動提案し、業務の効率化と販売機会の最大化を図る。全国500店舗で6月末から運用を開始。AIは過去1年の販売データ、周辺の通行量、天候、祝日といった情報を分析し、商品別・日別・納品便ごとの販売予測を算出。
さらに、類似立地の売れ筋商品を提案し、棚の在庫量も自動で調整する。
これにより、過剰発注の抑制とフードロスの削減を期待している。
ただし、新商品や突発的なイベントなどAIでは対応しきれない要素は、店側が手動で調整。
このシステム導入により、発注作業にかかる時間が週に約6時間削減できる見込みで、ファミマは今後さらに導入店舗を拡大する方針だ。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》
コンビニエンスストア業界におけるAIの活用は、深刻化する人手不足とフードロス問題の解決策として、着実に現実味を帯びてきている。
今回ファミリーマートが導入した「AIレコメンド発注」は、まさにその象徴的な取り組みだ。
AIは販売実績、気象情報、周辺状況など多様なデータを元に、最適な発注数量を自動で提示する。
これにより、店舗スタッフの業務負担は軽減され、発注作業にかかる時間が週6時間削減されるなど、効率性の向上が期待されている。
一方で、AIによる発注はあくまで「予測」に基づくものであり、特に新商品や地域の突発的イベントなど、人間の直感や地域性に依存する要素には限界がある。
このため、AIと人間の協調が求められる運用が今後の鍵となる。
また、AIの提案に全面的に依存することで、店舗独自の判断力が失われるリスクもある。特にワンオペ運営の店舗では、AIの支援はありがたい反面、過信による仕入れミスが大きな損失につながる可能性もある。
さらに懸念されるのは、本部による「AIを使った仕入れ指示」の形骸化である。
AIが表向きは需要予測に基づく合理的な発注支援を行う一方で、実際には本部側の販売目標や販促商品の押し込みツールとして機能する恐れが指摘されている。
こうした懸念は、過去の恵方巻きや季節商品の事例にも見られ、現場の裁量を奪い、フードロスを悪化させる一因ともなってきた。
一方、AI活用の大きなメリットはフードロス削減だ。
コンビニ業界では日々多くの食品が廃棄されており、ファミマがAIによって売れ残りを抑制し、商品陳列の適正化を進めることは、SDGsや環境負荷軽減の観点からも歓迎される。
また、AIは棚の「欠品防止」にも貢献し、過去の販売動向を加味した適正在庫を維持することで、販売機会損失の防止も期待できる。
今後の展望として、AIが店舗単位での需要予測から、地域全体の需給最適化へと進化する可能性がある。
例えば、近隣店舗とデータを共有し、天候やイベントに応じた商品供給の最適配分や物流調整まで視野に入れることができれば、業界全体の無駄を削減できる。
また、AIによる防犯や客層分析、売場レイアウトの最適化といった領域にも拡張が可能であり、AIはコンビニの未来を根底から支える中核技術となるだろう。
総じて言えば、AIの導入は現場の負担軽減、環境負荷削減、販売効率の向上といった複数の課題解決に貢献するが、技術に過度に依存せず、人間の判断力と併せた「協働」が重要である。
持続可能な店舗運営の実現には、現場の声を反映させた運用設計と、AIシステムの透明性確保が求められる。
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