ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム規格)では、「労働安全衛生機会(Occupational Health and Safety Opportunity)」について、「労働安全衛生パフォーマンスの向上につながり得る状況または、一連の状況」と定義しています。

今回は、「水産業」の事例について、考察します。

 

《水産業の労働安全衛生機会》

「労働安全衛生機会(Occupational Health and Safety Opportunity)」は、職場での健康と安全を向上させるために利用できるさまざまな手段や方法を指します。

水産業においては、作業環境がしばしば厳しく、潜在的な危険も多岐にわたるため、これらの機会の活用が特に重要です。

以下に、水産業での労働安全衛生機会を具体的に説明します。

 

1. 1. 適切な個人保護具(PPE)の提供と使用

水産業では、冷水、濡れた環境、魚類やその他の海洋生物からの切創などのリスクが存在します。

防水性と断熱性を兼ね備えた作業服、滑りにくい靴、手袋、保護メガネやフェイスシールドの提供が必要です。

これらの装備は、作業員を物理的リスクから保護し、労働中の怪我のリスクを低減します。

 

2. 安全トレーニングと教育の強化

水産業に従事する作業員には、適切な安全トレーニングと教育が不可欠です。

これには、船上での安全操作、緊急時の対応プロトコル、適切なリフティング技術、急な天候変化時の対応などが含まれます。

定期的なトレーニングと更新プログラムを提供することで、作業員が常に最新の安全基準に従って作業できるようにします。

 

3. 作業環境の改善

水産業の作業環境は、しばしば寒冷または湿度が高くなるため、作業員の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

加熱された休憩室の設置、適切な換気システム、乾燥エリアの提供などにより、作業条件を改善します。

また、長時間の露出を避けるための適切なシフト管理も重要です。

 

4. 健康管理と継続的なサポート

水産業の労働者は、重労働と厳しい環境のため、特定の健康問題に直面することがあります。

定期的な健康診断、筋肉や関節への負担を減らすためのフィジカルセラピーのアクセス、ストレスマネジメントプログラムの提供が効果的です。

 

5. 緊急時対応計画の整備

海上や養殖場での作業は、緊急事態に迅速に対応する必要があります。

救命胴衣の常備、救急キットのアクセス容易性の確保、定期的な緊急避難訓練の実施などが、安全対策の重要な部分です。

また、通信設備の確実性も保証する必要があります。

 

これらの労働安全衛生機会を活用することにより、水産業での労働者の安全と健康を保護し、事故や健康問題のリスクを効果的に管理することが可能です。

これにより、作業効率の向上、従業員の満足度の向上、長期的な健康の保持に寄与することができます。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ929号より)

 

 

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