2025年7月4日付の静岡朝日テレビが、
『『除籍』市長が公務キャンセルし“雲隠れ状態” 議会は7日に辞職勧告決議案を採決 議員から「早くやめて」の声も 静岡・伊東市』
と題した見出し記事を報じていました。
筆者は、この報道を知ったときに、このような政治家の「経歴詐称疑惑」は、現都知事の小池百合子氏(※カイロ大が2020年に学長名で小池氏の卒業を認める声明を出し、一応の決着)や参議院議員だった新間正次氏(※明治大中退→入学の事実無し)、衆院議員だった古賀潤一郎氏(ペパーダイン大卒業→単位不足で卒業せず)は、昔から発生しています。
したがって、私は、企業における「マネジメントシステム」が仕事の専門であることもあって、「なぜ、立候補の受付時に選挙公報に記載する経歴の裏付け資料を提出する仕組みに変えないのだろう」と常々感じています。
以下に、この記事を要約し、田久保真紀市長の「経歴詐称時の初期対応のミス」と「今後の展開」を予想してみました。
《以下、記事の要約》
2025年7月4日、静岡市で行われた県内市長による定例会議に伊東市の田久保真紀市長は欠席した。
田久保市長は、自身の経歴である「東洋大学法学部卒業」に関し、実際には除籍処分で卒業していなかったことが発覚。
これにより学歴詐称疑惑が浮上した。市の広報誌や報道機関向け調査票には「卒業」と記載されていた。
特に問題となっているのは、田久保市長が市議会に提示したとされる「卒業証書」の真偽である。
市議会議長によれば、証書は一瞬だけ開かれてすぐに閉じられ、内容の確認は不可能だった。
また、証書が本来左側に記載されるべきものが右側にあったとの証言もあり、偽造の疑いも浮上している。
7月4日、伊東市議会は辞職勧告決議案と百条委員会の設置を本会議に提出することを決定。
7月7日に採決予定で、可決される見通し。
市長は3日間の公務をキャンセルし“雲隠れ”状態となっている。
さらに、市民団体は公職選挙法違反の疑いで刑事告発する構えを見せており、今後の動向が注目されている。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》
田久保真紀市長の学歴詐称問題は、単なる経歴の誤記という次元を超え、政治的信頼と市政の根幹を揺るがす深刻な問題に発展している。
その根本原因は、疑惑発覚直後の初動対応の誤りにあった。
まず、田久保市長は「卒業証書を持っている」と主張しながら、市議会議長に対してその証書をきちんと提示せず、“チラ見せ”にとどめたことが致命的だった。
証拠資料が不十分な状態で、市議会側に疑念を抱かせたうえ、その後の説明も不透明かつ支離滅裂であったため、事態を収束させるどころか火に油を注ぐ結果となった。
公文書に相当する市の広報誌に「東洋大学法学部卒」と掲載していた以上、「卒業」と断定していたことは責任を免れない。
さらに悪手だったのが、問題発覚後の“雲隠れ”である。
公務のキャンセルを繰り返し、議会の説明責任を果たさない姿勢は、市民と議会の信頼を著しく損なった。
選挙で公にした経歴に誤りがあり、それに対する説明が不十分であれば、リーダーとしての資質が問われるのは当然である。
今後の展開として、7月7日の本会議で辞職勧告決議案と百条委員会設置が採決される見通しだが、いずれも法的強制力はない。
よって、田久保市長が自発的に辞職しない限り、職務を続けることは可能である。
しかしながら、議会の多数が辞職を求めており、加えて刑事告発の動きもあることから、政治的・社会的圧力は日に日に増すことが予想される。
仮に証書が偽造であると認定され、公職選挙法違反が確定した場合は、刑事責任を問われることもあり得る。
議会や市民が納得するかたちで事態を収束させるには、今後速やかに正当な証拠を提示し、真摯な説明責任を果たすことが求められる。
今回の事案は、政治家の自己認識の甘さと危機管理の失敗、そして制度上の盲点を浮き彫りにした。
立候補時に経歴証明書類の提出義務がない現行制度にも課題がある。
再発防止のためには、選挙公報など公的資料に掲載される経歴について、第三者が検証できる仕組みの構築が必要である。
信頼回復の道は極めて険しいが、政治家として、また一人の公人として、正面から事実を明らかにし、責任を取る姿勢こそが、最後の一縷の信頼をつなぎとめる唯一の方法である。
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