2025年6月21日付の朝日新聞が、
『熟年再婚で義理親子の「争続」が勃発 遺言トラブルで検認が増加』
と題した見出し記事を報じていました。
記事で紹介されているケースは、配偶者に先立たれた老親が再婚した場合で、これは、よくあるケースです。
私は、今後は、子どものいない独身の高齢者が、結婚する場合、親の遺産について、きょうだい間での「争続」が勃発するケースもあると思います。
この場合、各家族の事情によりケースバイケースだとは思いますが、遺産分与について、あらかじめ決めておく必要があると、常々思っています。
以下に、この記事を要約し、今後、増加する遺産相続や遺言トラブルについて、考察しました。
《以下、記事の要約》
高齢化が進む中で「熟年再婚」に伴う相続トラブルが増えている。
税理士の板倉京さんは、自身の義父のケースを紹介。
義父は70歳で10歳年下の女性と再婚したが、子どもに相談はなかった。
義父は一軒家(3,000万円)と金融資産(5,000万円)を保有。
遺言がなければ再婚相手に半分の相続権が発生し、将来的に家が再婚相手の実子に渡る可能性があった。
そこで板倉さんは遺言書の作成を義父に依頼。
遺言により家は実子が、金融資産は再婚相手と分けることに。
義父の死後、再婚相手は遺言の無効を主張し対立が生じたが、家庭裁判所で「有効」と判断された。
こうしたトラブルの背景には再婚と血縁の関係性、そして遺産分割への誤解がある。家裁への遺言書検認件数も年々増加しており、事前の話し合いと遺言の作成が重要となっている。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》
<今後増加が予想される相続・遺言トラブルとその対策>
日本は高齢化と単身世帯の増加に伴い、今後「遺産相続」と「遺言」をめぐるトラブルが確実に増加すると予想される。
特に深刻なのが、配偶者と子ども、あるいは前婚の子と後妻など、血縁の有無や関係の深さが異なる人々の間で起きる「熟年再婚」由来の争いである。
記事では、税理士の板倉氏が義父の再婚により発生した相続トラブルの実例が紹介されている。
義父は自宅と多額の金融資産を保有していたが、再婚相手に全財産の半分を相続される可能性があり、そのままでは実子に財産が渡らず、再婚相手の実子に自宅が移る恐れもあった。
このような状況は、遺言書がなければ容易に現実化する。
遺言書が存在すれば遺産の分配はある程度明確になるが、相手方が内容に異議を唱えることもあり、家庭裁判所での「検認」が必要になる。
2023年の検認件数は2万2,314件と過去最高となっており、こうしたトラブルはすでに日常化している。
また、2020年に導入された「配偶者居住権」も新たな論点だ。
配偶者には遺産分割とは別に、亡くなった配偶者と住んでいた住宅に住み続ける権利がある。
仮に家を実子に相続させる遺言があっても、配偶者居住権は尊重される。
こうした制度理解がないまま対立が先鋭化すると、感情的な争いへと発展しかねない。
さらに、子どものいない高齢独身者の再婚や、きょうだい間での争いなど、相続対象者の関係性が複雑化しており、もはや「相続は家族の問題」ではなく、「法と感情の綱引き」である。
こうした状況を未然に防ぐためには、次のような対策が重要である。
1)遺言書の早期作成
法的効力のある公正証書遺言を作成することで、紛争リスクを最小化できる。自筆証書の場合でも、家庭裁判所の法的手続きを理解し、内容を検証しておくべきだ。
2)家族間の事前の話し合い
当事者が元気なうちに、財産配分に関して家族と再婚相手それぞれと意思を共有しておくことが肝要。
意見や不満が顕在化すれば、対策を練る余地が生まれる。
3)実子と再婚相手の関係構築
財産の争奪戦を避けるには、血縁の有無だけでなく「関係性の質」が問われる。
互いに信頼関係を築く努力も重要だ。
高齢化社会の日本では、「相続」は誰にとっても無関係ではない問題であり、「争族」とならぬよう、予防的・制度的な準備が求められている。
【好評発売中!】
『サービス業のISO(設計・環境側面・危険源・気候変動)』(令和出版)2025年4月30日発売
『~マーケット・クライアントの信頼を高めるマネジメントシステム~ サービス業のISO (設計・環境側面・危険源・気候変動の実践ガイド)』 著:有賀正彦 - 令和出版
『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter:https://twitter.com/ariga9001