ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム規格)では、「労働安全衛生機会(Occupational Health and Safety Opportunity)」について、「労働安全衛生パフォーマンスの向上につながり得る状況または、一連の状況」と定義しています。
今回は、「動画クリエイター」の事例について、考察します。
《動画クリエイターの労働安全衛生機会》
「労働安全衛生機会(Occupational Health and Safety Opportunity)」は、職場での健康と安全を向上させるための取り組みです。
動画クリエイターの職業は、主にデジタルメディアの制作に関連しており、物理的なリスクよりも、作業環境や作業態度に関連する健康問題が中心となります。
以下に、動画クリエイターに適用される労働安全衛生機会の具体例を挙げて説明します。
1.エルゴノミクスの改善
動画クリエイターは長時間コンピュータを使用するため、適切なエルゴノミクス設計が必要です。
調節可能な椅子、適正な高さのデスク、足をしっかりと支えるフットレスト、目の疲労を軽減するための適切な照明とモニターの位置調整が重要です。
これらの改善により、長時間作業による筋骨格系の障害や視覚疲労を減少させることができます。
2. 定期的な休憩の促進
集中的な編集作業は、肉体的及び精神的な疲労を引き起こすことがあります。
労働者が定期的に休憩を取ることを奨励し、休憩時間には職場から離れてリフレッシュできる環境を提供することが望ましいです。
例えば、リラクゼーションスペースの設置や短時間の運動機会の提供が効果的です。
3. 適切なノイズ管理
動画制作においては、しばしば編集作業中に高音量でオーディオを繰り返し聞くことがあります。
適切なノイズレベルの管理と高品質なヘッドフォンの使用を通じて、聴覚への影響を最小限に抑えることが重要です。
また、静かな環境で作業できるようにすることも、精神的なストレスの軽減に寄与します。
4. 目の健康を守るための対策
長時間の画面作業は目の疲労や乾燥を引き起こします。作業中の適切な照明、ブルーライトカット眼鏡の提供、画面からの定期的な視線の移動を奨励することで、目の健康を守ることができます。
また、作業環境に加湿器を設置することで、目の乾燥を防ぐ助けにもなります。
5. 心理的健康の支援
クリエイティブな仕事は、しばしば厳しい締め切りやクライアントからのプレッシャーを伴います。
心理的健康のサポートとして、カウンセリングサービスへのアクセスを提供したり、ストレス管理のワークショップを定期的に開催することが効果的です。
これにより、バーンアウトを防ぎ、クリエイティブなパフォーマンスの維持を助けることができます。
これらの労働安全衛生機会を活用することにより、動画クリエイターの職場での健康と安全が向上し、長期的には作業効率とクオリティの向上が期待できます。
また、従業員の満足度と職場へのコミットメントも高まるでしょう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ931号より)
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