私は、これまでに、「不祥事を止めるISO思考」(2007年)、「仕組みが無くてダメな会社仕組みがあってもダメな会社」(2008年)、「ISOの復権」(2019年)といったISOマネジメントシステムの組織経営への活用に関する書籍を発表しています。
今回は、「ISO思考によるデジタル技術の活用とは何か」、そして、「取組み方のポイント」について、説明したいと思います。
《「ISO思考」による“デジタル技術の活用”とは》
「ISO思考」によるデジタル技術の活用は、ISOマネジメントシステムの原則を基に、デジタル技術を組織運営に統合し、プロセスの効率化、サービスの向上、新しいビジネスモデルの創出を目指す戦略です。
これは、デジタル化がもたらす変革を理解し、それを組織の文化として取り入れ、持続可能な成長を支える技術として活用することを意味します。
ISOマネジメントシステム、特にISO 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)やISO 55001(アセットマネジメントシステム)などが重要となります。
これらの規格を活用することで、デジタル技術を安全かつ効率的に組織内に導入し、そのメリットを最大限に引き出すことが可能です。
《デジタル技術の活用のための取り組み方のポイント》
1)デジタル戦略の明確化:
デジタル化の目的と目標を明確に定義します。
これには、組織のニーズと市場の要求を理解し、どの技術がビジネス目標の達成に貢献するかを特定することが含まれます。
デジタル戦略は組織の全体戦略と密接に連携している必要があります。
2)技術の選定と導入:
効果的なデジタル技術の選定には、その技術が現在及び将来の業務プロセスにどのように貢献するかを評価する必要があります。
クラウドコンピューティング、ビッグデータ、人工知能(AI)、機械学習など、目的に合った技術を選びます。
3)従業員のスキルと能力開発:
デジタル技術を効果的に活用するためには、従業員のデジタルスキルと理解を向上させる必要があります。
定期的な研修とワークショップを通じて、デジタルリテラシーを高め、新しいツールやプラットフォームの使用方法を学ぶ機会を提供します。
4)データセキュリティとプライバシーの保護:
ISO 27001などの情報セキュリティマネジメント規格に基づき、デジタル技術を使用する上でのセキュリティ対策を徹底します。
データ保護は顧客信頼の維持に不可欠であり、適切なセキュリティ対策は企業のリスク管理戦略の一部となります。
5)変革管理と従業員のエンゲージメント:
デジタル変革は組織にとって大きな変化をもたらすため、変革管理プロセスを適切に設計し、従業員を変革の一部にすることが重要です。
変革の目的と利点を明確に伝え、従業員の不安や疑問に対処します。
6)継続的な評価と改善:
デジタル技術の導入後は、その影響と効果を定期的に評価し、必要に応じて調整します。
技術の進化に合わせて、戦略やツールのアップデートを行うことで、持続的な改善と最適化を図ります。
「ISO思考」によるデジタル技術の活用は、組織が新しい技術的可能性を探求し、ビジネスプロセスを最適化することを目的としています。これにより、組織は効率的に運営を行い、市場競争力を高めることができるでしょう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ913号より)
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