私は、これまでに、「不祥事を止めるISO思考」(2007年)、「仕組みが無くてダメな会社仕組みがあってもダメな会社」(2008年)、「ISOの復権」(2019年)といったISOマネジメントシステムの組織経営への活用に関する書籍を発表しています。

今回は、「ISO思考による賃上げ対策とは何か」、そして、「取組み方のポイント」について、説明したいと思います。

 

《「ISO思考」による“価格転嫁”とは》

「ISO思考」による価格転嫁は、ISOマネジメントシステムの枠組みを利用して、コスト増加を効果的に製品価格に反映させる戦略です。物価高騰や原材料費の上昇などの外部コスト圧力に直面した際、これを消費者価格に適正に転嫁することで、企業の財務安定性と利益率を維持します。ISO 9001(品質マネジメント)やISO 10014(品質マネジメントの経済的利益の実現)などの規格がこのプロセスを支援し、価格設定の透明性を保ちながら顧客満足度を損なわないようにします。

 

このアプローチでは、コスト増加の原因となる要素を明確に理解し、その影響を分析することから始まります。その上で、価格変更が製品の品質や顧客に与える影響を考慮しながら、価格調整を行います。

 

《価格転嫁のための取り組み方のポイント》

1)コスト構造の詳細な分析:

コスト増加の原因を特定し、それが全体のコスト構造にどのように影響しているかを詳細に分析します。

ISO 9001のプロセスアプローチを活用して、コストが発生している具体的なプロセスを特定し、それに対する対策を検討します。

 

2)価格設定の見直し:

市場の価格感応度と競合の価格戦略を調査し、価格転嫁の範囲を検討します。

価格変更が顧客離れを引き起こさないように、価格設定の見直しには慎重に行います。

価格の透明性を保ちつつ、価格増加の理由を明確に顧客に伝えます。

 

3)顧客とのコミュニケーション強化:

価格変更を顧客に正しく理解してもらうために、コミュニケーションを強化します。

価格増加の理由、企業が品質維持のために行っている努力、市場状況などを透明に伝えることで、顧客の信頼を保ちます。

 

4)価値提案の強化:

単に価格を上げるのではなく、製品やサービスの付加価値を高めることで、顧客に受け入れてもらいやすくします。

製品の特徴を強化したり、新たなサービスを提供することで、価格上昇を正当化します。

 

5)リスク管理の実施:

価格転嫁によるリスクを事前に評価し、その影響を最小限に抑える戦略を立てます。

ISO 31000(リスクマネジメント)の原則を適用し、価格変更による販売量の変動、顧客の反応、競合の動向などを継続的にモニタリングします。

 

6)フィードバックの活用:

価格変更後の顧客の反応を詳細に分析し、そのフィードバックを次のビジネスサイクルの計画に活用します。

顧客満足度の調査を行い、改善点を明らかにすることで、継続的な改善を図ります。

 

「ISO思考」による価格転嫁の戦略は、コスト増加に直面しても企業が財務的な安定を維持し、顧客満足を確保しながら適切に価格を管理する方法を提供します。

これにより、企業は市場での競争力を保ちつつ、持続可能な成長を目指すことができます。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ921号より)

 

 

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