私は、これまでに、「不祥事を止めるISO思考」(2007年)、「仕組みが無くてダメな会社仕組みがあってもダメな会社」(2008年)、「ISOの復権」(2019年)といったISOマネジメントシステムの組織経営への活用に関する書籍を発表しています。

今回は、「ISO思考による物価高騰への対策とは何か」、そして、「取組み方のポイント」について、説明したいと思います。

 

《「ISO思考」による“物価高騰への対策”とは》

「ISO思考」による物価高騰への対策は、ISOマネジメントシステムの原則を活用して、コスト増加の影響を最小限に抑え、企業の財務安定性を保持する戦略です。このアプローチでは、コスト効率の向上、サプライチェーンの最適化、リスクマネジメント、価値提案の再評価を中心に展開します。ISO 9001(品質マネジメント)、ISO 28000(サプライチェーンセキュリティマネジメント)、ISO 31000(リスクマネジメント)などの規格が、これらの取り組みを支援します。

 

物価高騰に対応するためには、内部プロセスの見直し、原材料の調達戦略の再構築、製品の価格設定の適正化が重要であり、これらの活動をシステマティックに実行することが企業の持続可能性を支えます。

 

《物価高騰へに対策のための取り組み方のポイント》

1)コスト管理と効率化の強化:

ISO 9001を活用して、製造プロセスやオペレーショナルプロセスを見直し、無駄を削減します。

効率化によりコスト削減を実現し、物価高騰の影響を軽減することが可能です。

 

2)サプライチェーンの最適化:

ISO 28000などの規格を参照し、サプライチェーン全体のリスクを評価し、よりコスト効率の良い調達戦略を構築します。

複数の供給元を確保することで、原材料の価格上昇リスクを分散させます。

 

3)価格戦略の再評価:

市場の価格感応度を理解し、製品やサービスの価格設定を適切に調整します。

価値ベースの価格設定を採用することで、コスト増加を消費者に公正に反映させることができます。

 

4)代替素材や技術の検討:

物価高騰により高騰している素材の代替品を探索し、可能であれば低コストの素材に切り替えます。

また、技術革新を利用して、コストパフォーマンスが高い新しい製品開発を進めることも有効です。

 

5)顧客とのコミュニケーション強化:

物価高騰の状況とそれに伴う価格変動の理由を顧客に透明に伝え、理解と協力を求めます。

顧客の信頼を維持するためには、開かれたコミュニケーションが不可欠です。

 

6)財務的な柔軟性の確保:

運転資金や財務戦略を見直し、必要な場合は追加の資金調達を検討します。

財務的な余裕を持つことで、短期的なコスト圧力に対処しつつ、長期的な戦略を維持することができます。

 

「ISO思考」による物価高騰への対策は、組織が直面する経済的挑戦に対して体系的かつ戦略的に対応することを可能にします。これにより、企業はコスト増加の圧力を管理し、競争力を維持しながら安定した運営を続けることができます。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ918号より)


 

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