2025年4月29日付の北海道テレビ放送(HTB)が、
『賛成多い? 清水町が“十勝清水町”へ 町名変更を検討「十勝ブランド」のアドバンテージを活用』
と題したNEWSを報じていました。
 

全国に「清水」が付く市町村や地域、番地はたくさんあるので、観光受入や農産物出荷戦略を展開するのであれば、個人的には、「町名変更」には、肯定的です。
以下に、この記事を要約し、町名変更による影響について、考察しました。

《以下、記事の要約》
北海道十勝地方にある清水町で、町名を「十勝清水町」に変更しようという動きが出ています。
提案したのは辻康裕町長で、全国に「清水」という地名が多く存在するため混同を避けたいという理由に加え、道外での知名度向上や「十勝ブランド」を活用した地域産品のPR効果を狙っています。

すでに駅名やJAの施設、道東道の看板、ご当地グルメにも「十勝清水」の名称が使われており、町内でも浸透しつつある一方、印鑑変更など住民の手間を懸念する声もあります。
町長は住民の意見を聞きながら慎重に検討を進める方針です。
(以上、記事の要約)

《筆者の考察》
<町名変更による影響と今後>
町名変更は、単なる呼称の変更にとどまらず、地域のブランド価値、行政コスト、市民生活、そして地域アイデンティティに大きく関わる問題です。
今回の清水町が検討している「十勝清水町」への変更は、肯定的な面と課題の両方を持ち合わせています。

1)ブランド戦略としての効果
十勝地方は全国的にも農畜産物のブランド力が高く、「十勝●●」と冠することで産品の信頼性や訴求力が向上するという声が多くあります。
町長が言うように、外部市場に対して「どこの清水か」が明確になることで、販売促進や観光誘致にも有利に働くと見られています。
実際、既に「十勝清水牛玉ステーキ丼」などの商品名や施設名では「十勝清水」が一般的に使われており、名称変更は現実に即した選択とも言えます。

2)地理的識別の明確化
「清水町」という名称は全国に多く存在しており、場所の誤認を招きやすいのが事実です。
特に静岡県には「清水区」「清水町」があり、北海道の清水町は知名度で不利な位置にあります。
「十勝清水町」とすることで、道内外での識別性が高まり、物流や行政手続きなどでも混乱が減るというメリットが期待されます。

3)住民生活への影響
一方で、町名変更には実務的な課題も伴います。
住民の中には「印鑑を変えないといけない」「書類や住所表記を全部変えるのが手間」といった懸念もあり、特に商売を営む人や高齢者にとっては負担になることもあります。
町名は日常生活の中であらゆる場面に関わっているため、変更による一時的な混乱やコストは無視できません。

4)地域の歴史とアイデンティティの再確認
清水町は90年の歴史を持つ町名であり、長く住んできた住民にとっては愛着のある名称です。
「十勝清水」という名がすでに日常的に使われているとはいえ、公式名称の変更には精神的な抵抗を感じる人も少なくありません。
そのため、単に経済的・広報的な理由だけでなく、「清水」の名の由来や歴史的価値を尊重しながら、住民の声を丁寧に聴くプロセスが不可欠です。

5)町民合意と今後の方向性
今回の町長提案は、あくまで「アイデア段階」であり、正式な町名変更には住民投票や議会の議決など慎重な手続きを要します。町名変更は一度実施すれば元に戻すのが難しいため、住民合意の形成が最も重要なポイントとなります。

<まとめ>
町名変更は地域の未来を左右する選択です。
「十勝清水町」への改名は、十勝ブランドの活用による外向けの発信力強化という面で大きな利点がありますが、町民の実生活への影響や感情面への配慮も必要です。
経済戦略と住民意識の両立を図りながら、透明性のある議論と丁寧な合意形成によって進められるべきでしょう。

 

 

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