2025年4月8日付の産経新聞が、
『高校生の10人に1人は「通信制高校」に在籍 背景に不登校 大学受験で実績残す学校も』
と題した見出し記事を報じていました。
 

話題は少し逸れますが、筆者個人の「通信制学習歴」は、社会人以降の近年の「オンラインセミナー」を除けば、中学時代に「通信添削の教材」と大学生の時に「某国立大学の通信制の科目履修」の経験があります。
 

中学時代の通信添削の教材は、親に「監視」されていたので、一応、カリキュラムに沿って学習した記憶があります。
しかし、大学時代の通信制の科目履修は、カリキュラムに沿って、定期的に教材が送られてくるのですが、途中から「課題が負債のように」溜まりはじめ、途中で断念してしまった苦い思い出があります。
 

当時は、双方向の「オンライン授業」はなく、手紙に例えると「文通」みたいなものなので、気軽にわからないところを質問できませんから「他の誘惑に対する自制心と孤独との闘い」です。
したがって、高校、大学を「通信教育で卒業」するのは、相当の自己管理能力がないとできないこと、と認識しています。

以下に、この記事を要約し、月並みですが、通信制で学ぶ生徒が増加している背景と無事卒業させ、大学受験を成功に導く通信制高校の教育方法について考察しました。

《記事の要約》
通信制高校に在籍する生徒数が2024年度に約29万人に達し、この10年で1.6倍に増加した。
背景には新型コロナウイルスの影響による不登校の増加や、学習スタイルの多様化がある。現在では高校生のおよそ10人に1人が通信制高校で学んでいる計算となる。

代表例としては「N高」「S高」「R高」など角川ドワンゴ学園が展開する学校があり、動画配信を活用したオンライン入学式や、多様な学び方を用意して生徒の個別ニーズに応えている。
2024年度の大学入試では東京大学に7人、早稲田大学に46人など、難関大学への現役合格者も多数出ている。

また、甲子園に出場し初勝利を収めたクラーク記念国際高校のように、スポーツにも力を入れる学校もある。

近年は学級単位で進行する通学制と異なり、通信制は生徒が自分のペースで学べる点が評価されており、教育の「枠組み」が大きく変わりつつある。
(記事の要約、ここまで)

《筆者の考察》
【通信制高校の仕組みと高い卒業・進学実績の背景】
通信制高校が近年急速に拡大し、卒業率や大学進学実績を着実に伸ばしている背景には、時代の変化に適応した柔軟な教育システムがある。
従来は「不登校の受け皿」「最後の手段」と見なされてきた通信制高校が、今や「選ばれる進路」として存在感を強めている。

その主な理由は以下の3点に集約できる。

1)学習スタイルの柔軟性と個別最適化
通学制高校は学級単位の一斉授業が中心だが、通信制高校ではオンライン授業、映像教材、個別指導などを組み合わせ、生徒が自分のペースで進められる。
「苦手科目に時間をかける」「得意分野を伸ばす」といった、いわば“オーダーメイド型学習”が可能になる。

N高やS高といった新しいタイプの通信制高校では、大学受験に特化した講座や個別面談など、学習支援体制が整っており、首都圏の進学校と遜色ない受験指導が受けられる。
こうした取り組みが、東大や早慶といった難関大学への合格実績につながっている。

2)生徒の多様性に応じた教育設計
通信制は「学び直し」や「不登校経験者の受け入れ」にも強い。
コロナ禍を機に、不登校が特別なことではなくなり、「毎日学校に通う」以外の学び方も選択肢として広く認知されるようになった。

学校によっては週1〜5日の通学コースや、自宅完結型、全国に拠点を持つサテライト施設での活動など、生活リズムや家庭事情に応じた柔軟な通学設計が可能である。
スポーツや芸能活動、アルバイトとの両立も可能となり、生徒の自己実現を後押ししている。

3)ICT活用と人的支援のハイブリッド型
通信制高校はICT技術の活用に長けており、授業の効率化や生徒の進捗管理に力を発揮している。
しかし、それだけではない。
N/S高などは、担任やチューターがこまめに声かけし、孤立を防ぐ仕組みも用意している。

さらに、進学相談、キャリア設計、メンタルケアまで包括的に支援する体制が整いつつある。
これにより、通信制でも生徒が安心して学びを継続しやすくなっている。

【今後の展望】
通信制高校は今後もさらに広がると見られる。
進学実績の向上に加え、働きながら、子育てしながら学べる環境としても注目されており、大人の“学び直し”にも適している。
教育の個別化、多様化が求められる現代において、通信制高校は一部の特例ではなく、メインストリームの一つとなる可能性がある。

社会が「学びの在り方」の多様性をどこまで受け入れられるかが、通信制教育の真価を問う鍵となるだろう。

 

 

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