2025年3月22日付の「HTB 北海道ニュース」が、
『児童の成績がクラスの保護者全員に…「時間割と間違え」担任が誤送信 学校が緊急の保護者説明会 稚内市』
と題した見出し記事を報じていました。

私も以前、「誤送信」系のミスをしたことがあります。
誤送信には「本来、宛先にすべきで無い人を宛先にする」ケースや「意図しないファイルを添付してしまう」ケースがありますが、今回のケースは、後者です。
想像ですが、今回のミスは、メールソフトで、添付するファイルを選ぶときに、ファイル名が似ていた成績表のファイルを選んでしまったのだと思います。
結果論ですが、最後の砦は、「送付時にファイル名をしっかり確認」していれば、今回のような誤送信は発生しません。
予防策としては、添付するファイルを選ぶときに、「時間割と成績表のファイルが保存されているフォルダを別のフォルダにしておくこと」が大事です。
それにしても、成績表の管理が「紙」の時代にも、似たような情報漏洩はあったと思いますが、デジタルの時代は、こうした「誰しもがやってしまいがちなミス」が、全国ニュースになってしまう恐ろしさです。
以下に、この記事を要約し、児童を含め関係者の心理的ケアを学校側の取るべき対策を考察しました。

《記事の要約》
北海道稚内市の稚内南小学校で、4年生の担任教員がクラス全員33人分の後期成績を、誤って全保護者にメールで送信していたことが分かりました。
メールは、2025年3月21日午後7時半ごろ、本来は翌週の時間割を送る目的で送信されたものですが、誤って成績ファイルが添付されていたということです。
この誤送信は、保護者からの指摘により判明。学校側はすぐに各家庭にメールや電話で謝罪とファイル削除を依頼し、翌22日には緊急の保護者説明会を開いて経緯を説明しました。
今後は、児童への心理的ケアや再発防止に努めるとしています。
(記事の要約、ここまで)

《筆者の考察》
<学校側に求められる対応と心理的ケアについて>
今回の稚内市の成績誤送信は、情報管理のミスというだけでなく、児童の心理や保護者との信頼関係に深く関わる問題です。
成績というプライベートで繊細な情報が他者に共有されたことは、子どもにとって自己肯定感や他者との関係に影響を与えかねません。

まず学校側には、児童一人ひとりの心理的フォローが求められます。
担任がクラス全体に対して、「成績は比較ではなく成長の証」と明確に伝えることが重要です。
成績をめぐる過度な競争心や劣等感が生まれないよう、成績をどう捉えるかという意識づけがカギとなります。

また、スクールカウンセラーの積極的な活用が不可欠です。子どもが心に不安を抱えている場合、自分から声を上げるのは難しいこともあるため、定期的な相談機会を設けるなどして、自然に話せる場を整備することが重要です。
特に低学年の子どもには、教員が気持ちを丁寧に汲み取りながら対応する姿勢が必要です。

保護者に対しても、ただの謝罪ではなく、再発防止策と情報管理体制の具体的説明が求められます。
また、情報の拡散を防ぐため、「SNS等に投稿しない」「家庭内でも子どもの前で成績について言及しない」よう呼びかける配慮も大切です。

再発防止の面では、教員のICTリテラシーを高めるための研修や、個人情報を扱う際のマニュアル整備が必要です。
特に日常的な業務になりがちな連絡メールこそ、複数人によるダブルチェックの仕組みを設けるなど、「慣れ」による事故を防ぐ体制を構築すべきです。

最後に、学校という場は、「失敗を受け止めて成長する場」でもあります。教員も完璧ではなく、ミスが起こり得る中で、その後どう対応するかが教育の一環ともいえます。
保護者や地域がその点も理解し、学校を責めるだけでなく、共に信頼を築く姿勢が求められます。

今回の件をきっかけに、情報管理の見直しとともに、子どもたちが安心して学べる環境づくりが進むことが望まれます。


 

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