2025年3月13日付のFNNプライムオンラインが、
『消えゆく卒業式の定番“仰げば尊し”』
というテーマの記事を報じていました。

ちなみに、筆者自身は、小学校、中学校、高校を1980年代に卒業していますが、卒業式における「仰げば尊し」の歌唱は、小学校は「無し」、中学校、高校は「有り」でした。
「仰げば尊し」が小学校の卒業式で歌わなかったのは、筆者が小学校6年生の時の学年主任の先生をはじめ、6年生の各担任の先生の「卒業式のあり方」に対する考え方だったと思います。
つまり、「卒業式は、生徒が主役であって決して先生ではない」という思想です。
確か「蛍の光」も歌わなかったはずで、「出発の歌(たびだちのうた)」を歌った記憶があります。
以下に、この記事を要約し、卒業式ソングの未来を考察しました。

《記事の要約》
かつて卒業式の定番曲だった「仰げば尊し」が、近年ほとんど歌われなくなっている。
その背景には、生徒と教師の関係性の変化があると専門家は指摘する。
かつては教師が生徒にとって絶対的な存在であり、「仰げば尊し」の歌詞のように恩を仰ぐのが自然だったが、現代では教師と生徒がより対等な関係に変化し、そのような価値観が合わなくなったという。

実際に卒業式で歌われる曲の傾向も変化している。10代や20代の若者にとっての定番曲は「旅立ちの日に」や「栄光の架橋」、「手紙~拝啓十五の君へ~」など、感謝の気持ちを込めつつも、卒業後の未来に向けた希望を歌う曲が多い。
一方、50代以上では「仰げば尊し」や「蛍の光」が定番だった。世代ごとに卒業式ソングの認識が異なっていることが分かる。

また、「仰げば尊し」が歌われなくなった理由の一つとして、言葉の変化も挙げられる。
歌詞の「我が師の恩」という表現を、現代の若者は馴染みのないものと感じることも多い。また、教師側も「生徒に奉られるような歌詞は時代に合わない」と考えるケースが増え、学校で自主的に選ばれることが減っている。
文部科学省によると、卒業式の選曲に決まりはなく、生徒自身が自由に選ぶ学校が増えているため、古い言葉を含む曲は自然と避けられる傾向にあるという。

一方で、「仰げば尊し」を惜しむ声もある。
厳かな雰囲気や文語調の美しさがあり、卒業式の格式を保つのにふさわしいとの意見もある。
卒業式は生徒が主役であるべきだが、その時代ごとにふさわしい曲を選ぶことが重要であり、今後もトレンドが変化していく可能性がある。
(以上、記事の要約)

《筆者の考察》
「卒業式ソングのあり方」と「今後のトレンド」

1. 「仰げば尊し」が歌われなくなった背景 
「仰げば尊し」は、明治時代から卒業式の定番曲として歌われてきたが、近年ではほとんど採用されなくなっている。
その主な理由は生徒と教師の関係性の変化である。
かつては教師を敬う価値観が社会に根付いており、教師が生徒を導く存在とされていた。
しかし、現代では教育現場での「教師と生徒の対等な関係」が重視されるようになり、「仰げば尊し」の「我が師の恩」という歌詞が時代遅れと感じられるようになった。

また、卒業式の選曲は自由化が進んでおり、生徒自身が選ぶケースが増えている。
その結果、生徒にとってより身近で共感できる曲が選ばれるようになり、「仰げば尊し」のような古典的な楽曲は敬遠されがちになっている。

2. 現在の卒業式ソングの傾向 
近年の卒業ソングは、生徒の気持ちに寄り添う歌詞が好まれる傾向にある。
楽天ブックスの調査によると、20代・30代の人気曲は「旅立ちの日に」「3月9日」「YELL」など、別れの寂しさだけでなく、新しい未来への期待を込めた楽曲が上位に入っている。
また、「栄光の架橋」のように努力と成長を称える曲も卒業式で人気が高い。

特に、「3月9日」や「YELL」は、卒業を単なる別れの場ではなく、新しい旅立ちと捉える風潮にマッチしている。
また、J-POPのヒット曲が卒業式に採用されるケースも増え、時代ごとのトレンドが反映されるようになっている。

3. 今後の卒業式ソングのトレンド 
今後の卒業ソングのあり方として、次のような変化が考えられる。

1)J-POPやアーティストの楽曲が主流に
これまで「卒業ソング」として定着してきた「旅立ちの日に」や「3月9日」などに加え、新たなアーティストの楽曲が次々と卒業式に取り入れられる可能性が高い。
特に、若者に共感される歌詞を持つ楽曲が選ばれる傾向が続くと考えられる。

2)より生徒主体の選曲へ
文部科学省の方針もあり、学校側が決めるのではなく、生徒自身が選ぶケースが増えていくと予想される。
そのため、一律に「この曲が卒業式ソング」と決まることはなくなり、学校ごとの特色が出るようになるだろう。

3)伝統的な曲との共存
「仰げば尊し」や「蛍の光」のような伝統的な曲は、今後も卒業式で完全に消えるわけではない。
学校によっては、卒業生への感謝を込めた演出として取り入れる可能性もある。
ただし、伝統を重んじるか、新しい曲を採用するかは学校の判断に委ねられるため、全国的な統一はなくなっていくだろう。

<結論>
卒業式の選曲は、時代とともに変化している。
教師と生徒の関係性が対等になったことで、「仰げば尊し」のような教師への敬意を表す楽曲は廃れつつある。
一方で、卒業の寂しさと未来への希望を歌った「旅立ちの日に」「3月9日」「YELL」などの楽曲が、現代の卒業式にふさわしいものとして受け入れられている。

今後も、生徒が主体となって選曲を行う流れが加速し、卒業式ソングの多様化が進むだろう。伝統的な曲と新しい曲が共存する形が理想的ではあるが、時代ごとの価値観に合わせた卒業式のあり方が求められるだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ950号より)
 

 

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