2025年3月15日付の毎日新聞が、
『「恫喝は日常茶飯事」 市職員名乗る情報提供 桐生の生活保護問題』
と題した見出し記事を報じていました。

生活保護の相談者に対する「恫喝」は問題です。
しかし、現実的には、現状の生活保護制度には、問題点も多そうです。
例えば、一般の国民の年間医療費が約30万円なの対して、生活保護者は、約75万円。
病院に行く時間があり、医療費負担がない「タダ」だから、不必要な通院が増えている可能性があります。
また、生活保護者より年収150万程度の人や年金生活者の方が生活苦になっている可能性もあります。
以下に、この記事を要約し、生活保護に関する問題点を整理しました。

《記事の要約》
群馬県桐生市の生活保護制度に関する不適切な運用を調査する第三者委員会が、2025年3月14日に8回目の会合を開き、市民からの情報提供が115件集まったと報告された。
特に、市職員を名乗る内部告発が6件あり、「保護係の職員による恫喝や罵声が日常的で、他の職員も聞くに堪えなかった」との証言があった。
また、福祉課職員が横柄な態度で対応していても、管理職が把握できない状況だったことも指摘された。

生活保護受給者からの情報も多数寄せられた。
例えば、生後まもない乳児を連れて窓口に行った際、家計簿の金額が1円でも違うと怒鳴られたり、ケースワーカーが自宅訪問で冷蔵庫の中身を確認し、「どんな生活をしているんですか」と詰問されたりしたケースがあった。
レシートの提出を求められた受給者は、生理用品の購入が知られることに苦痛を感じたという。
また、市役所にはスーツ着用で来るよう求められたり、ひらがなの書き取りをさせられたりした事例も報告された。

さらに、生活保護受給者が金銭管理団体と契約し、保護費の管理を委ねることを強制されたとの情報もあった。
契約時に本人の意思が尊重されなかったケースが多く、親が代理で契約させられた例も報告されている。

第三者委員会は、これらの報告が真実かどうかはまだ確定していないものの、不適切な対応があった可能性が高いと判断。
桐生市に対して組織的な改善を求める方針を示し、報告書を3月28日に市長に提出する予定だ。
(記事の要約、ここまで)

《筆者の考察》
《生活保護制度の問題点と対策》
生活保護制度は、本来「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するためのセーフティーネットである。
しかし、現場での運用に問題が多く、必要な支援を適切に受けられないケースや、不正受給の問題も指摘されている。
以下に、主な問題点とその対策を考えてみました。

1. 生活保護受給者への不適切な対応
今回の桐生市の事例では、恫喝や暴言、不必要な生活チェックなど、受給者に対する人権侵害的な対応が指摘された。
これは、窓口職員の意識や研修不足、自治体の管理体制の不備が原因と考えられる。

<対策>
ケースワーカーの研修強化:適切な対応ができるよう、心理学や福祉の専門知識を持つ研修を義務化。
・監視・通報制度の導入:
受給者が不適切な対応を受けた場合に匿名で通報できる仕組みを整備し、第三者委員会がチェックする体制を強化。
・職員のメンタルケアと適正配置:
職員もストレスを抱えているため、精神的負担を軽減する制度を設け、適性に応じた配置を行う。

2. 生活保護費の管理問題
生活保護受給者の金銭管理を一方的に団体に委ねさせられ、本人の意思が尊重されないケースがあった。
これは、自治体が管理負担を軽減するために不適切な対応をしている可能性がある。

<対策>
・金銭管理の選択肢の明確化:
受給者自身が管理するか、支援を受けるかを選べる仕組みにする。
・不正防止のための監査強化:
金銭管理団体が適切に運用しているか、第三者機関による定期的な監査を義務化。

3. 生活保護受給者の不正利用とモラルの問題
生活保護を受けながらギャンブルや酒に使う人がいるとの指摘があり、それがケースワーカーの厳しい対応の原因の一つになっている。

<対策>
・現物支給の導入:
生活必需品(食料や医薬品)を一部現物支給とし、金銭の使途を適正化。
・就労支援の強化:
働ける人には期限付きで生活保護を支給し、職業訓練や就労支援を義務付ける。

4. 生活保護を受けられるべき人が申請できない(生活保護受給阻止の水際作戦)
政府や自治体が生活保護申請を抑制する「水際作戦」を実施し、本来受給資格がある人が申請できない状況が発生している。
特に「風俗で働け」と指導するような違法なケースも報告されている。

<対策>
・申請プロセスの透明化:
申請時の対応を記録し、独立機関が監査する仕組みを導入。
・オンライン申請の導入:
窓口での圧力を回避するため、オンライン申請を可能にする。

5. 生活保護制度と低所得者層の格差
生活保護受給者は医療費が無料である一方、年収200万円の労働者や低所得の年金受給者は厳しい生活を強いられている。

<対策>
・低所得者向けの支援強化:
生活保護を受けずにギリギリの生活をしている人への家賃補助や医療費補助を拡充。
・勤労所得控除の拡大:
生活保護と低所得労働者の経済的な逆転現象を防ぐため、働いている人の税負担を軽減する。

6. 家族による支援の強要
家族が生活保護を受けられずに、親族の負担が増大するケースが報告されている。

<対策>
・扶養義務の見直し:
家族に過度な負担がかからないよう、親族支援の義務を緩和する。
・家族支援制度の充実:
生活保護受給者の家族も支援が受けられる仕組みを整える。

<結論>
生活保護制度は、適切に機能すれば重要な社会保障制度であるが、現場の運用や受給者のモラル、不正利用、低所得層との格差、申請阻止の問題など多くの課題がある。
これらを解決するためには、ケースワーカーの教育強化、現物支給の導入、就労支援、オンライン申請、低所得者向け支援の拡充など、包括的な制度改革が必要である。

 

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