2025年2月10日付の日本食糧新聞が、
『タルタルソース、5年で7割強増加 コロナ禍の内食回帰が契機』
と題した見出しの記事を報じていました。

少し話題は逸れますが、「タルタルソース」といえば、宮崎名物チキン南蛮が連想されます。
先日、いまや、全国区の食べ物メニューとなったチキン南蛮の発祥店と言われるのは宮崎県延岡市の「直ちゃん」に訪問しました。
ちなみに、一説によると、チキン南蛮は、昭和30年代に延岡市にあったロンドンという洋食屋さんのまかないメニューが、もともとだったようです。

「直ちゃん」は、延岡駅から徒歩3分ほどのロケーションにあり、11時の開店前に訪問しましたが、すでに30人ほどの行列。
1回転し、2回転目の11時20分ぐらいに入店できました。

並んでいる時にすでに注文を確認されているので、入店後、6〜7分で、配膳されました。
注文したのは、「チキン南蛮定食」と「日向鶏たたき」(単品)、ごはんは少なめ(−50円)で合計1900円。

 



直ちゃんのチキン南蛮の特徴は、タルタルソースが掛かっていません。
衣は、サクサクではなく、甘酢がかかってしんなり。
また、お肉はむね肉のはずなのに、やわらかくジューシー。
私はいままで、「タルタルソースを食べるためにチキンがある」と冗談をいうぐらいタルタルソース好きですが、鶏肉のみで勝負するタルタルソースなしの直ちゃんのチキン南蛮は、チキン南蛮の概念を変え、めちゃめちゃうまい!

日向鶏たたきは、炭火で焼いているのか、少しスモークがかっていて、ゆず胡椒でいただきましたが、や〜こちらも絶品!
いつか、「もも焼き」も食べに再訪したいお店でした。

・・・とすっかり本題から逸れてしまいましたが、以下に、この日本食糧新聞の記事を要約し、考察しました。

《記事の要約》
<タルタルソースの家庭用市場が急成長—5年で7割増、用途拡大が追い風に>
家庭用タルタルソースの販売が大きく伸びている。食品スーパーでの販売額は2019年から2024年の5年間で71.8%増加し、マヨネーズカテゴリー内での構成比も6.8%に達した。
これにより、タルタルソースは有力なサブカテゴリーとして確固たる地位を築きつつある。

◆揚げ物需要の高まりと商品開発が成長を後押し
タルタルソースは1960年代から国内で生産・販売されてきたものの、長らく家庭常備品としては定着しない地味な存在だった。
しかし、2020年のコロナ禍を契機に状況は一変した。内食需要の高まりにより、スーパーの惣菜や冷凍食品の利用が進む中、家庭でも揚げ物にタルタルソースを合わせる習慣が広がった。

市場をリードするキユーピーは、2023年に主力商品「キユーピータルタルソース」の揚げ物との相性を改良し、さらなる需要拡大に貢献した。
加えて、2023年春に発売した「具だくさんレモンタルタル」では唐揚げとの相性を前面に打ち出し、家庭での新たな用途提案が消費者の支持を集めた。2024年の販売額は前年比12.7%増と好調な推移を続けている。

◆ご当地タルタルソースも存在感を強化
タルタルソース市場はキユーピーが約8割のシェアを占める寡占市場だが、ご当地色の強い商品も徐々に存在感を強めている。例えば、ヤマエ食品工業の「宮崎タルタルソース」は、チキン南蛮向けに特化した商品として注目を集めている。
また、伊藤漬物本舗の「いぶりがっこのタルタルソース」は、2021年にテレビ番組『マツコの知らない世界』で紹介されたことをきっかけに知名度を急上昇させた。

これらの商品の登場により、タルタルソース市場は用途の多様化と選択肢の充実が進み、さらなる拡大が期待されている。
(記事の要約、ここまで)

《筆者の考察》
<タルタルソースの今後の成長性とその影響>
タルタルソース市場の成長は、単なる一過性のブームではなく、食文化の変化やライフスタイルの多様化を反映したものである。
今後も市場の拡大が続くと予想され、その影響は家庭の食卓にとどまらず、外食産業や地域振興にも波及する可能性がある。

1. 成長の要因と今後の展開
1)内食需要の持続と新たな用途開拓
コロナ禍で加速した内食需要は、コロナ収束後も一定の水準で維持されている。
これにより、家庭での調理において手軽に料理の味を引き立てる調味料としてのタルタルソースの需要が続くと予想される。
特に、唐揚げやチキン南蛮、フライドポテトなど、従来の魚介フライ以外のメニューへの活用が浸透している点が成長を支えている。

さらに、ヘルシー志向やビーガン対応など、健康志向の高まりを受けた新商品の開発も期待される。
例えば、低脂肪タイプのタルタルソースや植物由来の原材料を使用した商品が市場に投入されれば、さらに消費者層の拡大が見込まれる。

2)ご当地タルタルソースの台頭と地域活性化
全国各地で展開されているご当地タルタルソースは、地域の特産品や食文化と結びついており、今後の市場拡大の一翼を担うと考えられる。
例えば、宮崎県のチキン南蛮専用タルタルソースや、秋田県のいぶりがっこを使用したタルタルソースは、地域の魅力を全国に発信するツールとなっている。

こうした商品は、地域振興や観光PRにも貢献する可能性がある。地域の特色を活かしたタルタルソースの開発が進めば、地方経済の活性化にもつながるだろう。

2. 影響と課題
1)外食産業への波及効果
タルタルソースの人気は、外食産業にも波及している。
これまで定番とされてきたエビフライや白身魚のフライに加えて、唐揚げやフライドチキンなどへの使用が増加しており、外食チェーンやカフェでもタルタルソースを活用したメニューが登場している。

特に、若年層をターゲットにしたカジュアルレストランやデリバリー業界での採用が進めば、市場拡大に拍車がかかるだろう。

2)市場の飽和と差別化の課題
一方で、タルタルソース市場が急拡大する中で、商品差別化が課題となる可能性もある。
大手メーカーが市場を寡占する一方で、中小メーカーや地域特産品の存在感を維持するためには、独自性のあるフレーバーや健康志向に対応した商品開発が求められる。

また、消費者の飽きを防ぐために、定期的な新商品投入や期間限定商品の開発など、マーケティング戦略の工夫も重要となる。

3. まとめ
家庭用タルタルソース市場は、内食需要の拡大や多様な用途の広がりを背景に、今後も成長が続くと予想される。
大手メーカーによる商品開発と、ご当地タルタルソースの登場が市場の活性化を後押ししており、外食産業や地域振興にも好影響をもたらすだろう。

一方で、市場が成熟するにつれて、商品差別化や消費者の関心維持が課題となる可能性があり、業界全体での継続的なイノベーションが求められる。
タルタルソースの成長は、今後の日本の食文化の多様化を象徴する一例となるだろう。

 

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