週刊ポスト2025年2月14・21日号が、
『【追悼・森永卓郎さん】堂々と貫いたモリタク流の“死生観”と“人間関係の整理”「あえて親しい友人は作らない」「遺骨はゴミとして廃棄期処分してもらっても構わない」』
と題した見出し記事を報じていました。
以下にこの記事を要約し、森永卓郎さんの死生観について、考察します。

《記事の要約》
~経済アナリスト・森永卓郎さん逝去――「死」を恐れず貫いた独自の死生観~
経済アナリストとして知られた 森永卓郎さん(享年67) が、2025年1月28日 に逝去した。
2023年11月に膵臓がんステージIV と診断され、その後 原発不明がん へと診断が変わったが、闘病中も精力的な活動を続けた。死の間際まで悲観することなく、「モリタク流」の死生観 を貫いた森永さん。
その生き様と考え方は、多くの人々に深い影響を与えた。

◆「好きなことしかしない」闘病生活
がんの告知を受けた後も、森永さんの姿勢は一貫していた。
「私が決めたのは、好きな物を好きなだけ食べること。 
アイスやケーキを間食にし、一日中アメを舐める。
オクラやめかぶのようなネバネバ系は嫌いだから食べないし、ラーメンやカルビ、豚バラブロックなど脂っこいものも好物として積極的に食べ続けた。
タバコも1日20本以上吸う、不健康なライフスタイルを変えるつもりはなかった」と語っている。

◆生前整理も徹底して実行
がん発覚後、森永さんは生前整理にも積極的に取り組んだ。
・数千冊の蔵書 を希望する学生に譲渡し、残りは遺品整理業者に依頼。
・20台のパソコン も全て処分。
・おもちゃやミニカー、菓子のおまけなど12万点のコレクション は、家族の中で唯一理解を示した次男が継承することになった。

森永さんは、自らのコレクションに対しても「けじめ」をつけ、余命宣告を受けたからこそ、自分の人生を整理し、次世代に託すことに価値を見出した。

◆人間関係の整理と孤独の受け入れ
森永さんは、終活の中で特に「人間関係の整理」に注目していた。
「親しい友人を作らないようにしてきた」と語り、その理由について「仲間を作ると、自分の都合に相手を巻き込んだり、逆に相手の問題に巻き込まれるのが嫌だった」と説明している。

仕事関係の人間関係についても、「退職すれば年賀状の数が減るのは当たり前。
仕事が終われば関係も自然と終わるもの」と冷静に捉え、死に向き合うことを「孤独な作業」と位置づけた。

◆死後の「処分」もシンプルに
森永さんは、自らの死後についても独自の考えを貫いた。
「葬儀も戒名も位牌も仏壇もいらない。遺骨はゴミとして廃棄処分してもらって構わない。死んだら綺麗さっぱり消滅し、忘れ去られるもの だという意識が日増しに強まっている」と記している。

森永さんの死生観は、「死」をタブー視することなく、自然な出来事として受け入れるものであり、その姿勢は多くの人々に考えるきっかけを提供している。

《筆者の考察》
『森永卓郎さんの死生観が現代日本人に与える影響』
森永卓郎さんの 「死に対する向き合い方」 は、現代の日本社会において非常に示唆的である。
特に、高齢化社会が進む日本において、「終活」や「人生の最期」に対する考え方はますます重要になっている。
森永さんの死生観は、死を恐れず、自然体で受け入れる姿勢 を示し、現代日本人に以下のような影響を与える可能性がある。

1. 「死」をタブー視しない風潮の促進
1)死と向き合うことの大切さ
日本社会では、長らく「死」をタブー視する傾向が強かった。しかし、森永さんのように、死を隠すことなく公に語り、準備する姿勢 は、現代日本人にとって新たな価値観を提示している。

特に、余命宣告を受けた後も堂々と生活を続け、終活を積極的に行う という姿勢は、多くの人にとって勇気を与えるものであり、死を「避けるべきもの」ではなく、「向き合うべき現実」として捉える契機となるだろう。

2)「好きなことをする」生き方の再評価
森永さんは、がん発覚後も「好きなものを食べ、好きなことをする」生活を続けた。
これは、健康に執着しすぎることなく、自分らしく生きることの大切さ を示唆している。

現代社会では、健康志向が強調される一方で、「何のための健康なのか?」という本質的な問いが忘れられがちだ。森永さんの生き方は、「人生の終わりに向けて、何を大切にするか」という視点を再認識させる。

2. 終活と生前整理の新たな視点
1)シンプルな終活の推奨
森永さんは、生前整理を通じて 「必要以上のものを持たない」 という姿勢を示した。
特に、コレクションや蔵書の整理、遺品の取り扱いについて自ら方針を決めたことは、家族の負担軽減 にもつながる。

このような姿勢は、終活を「自分の人生を見つめ直す機会」として捉える考え方 を広める可能性がある。
森永さんのように 「モノや人間関係を整理することで、人生の最終章を自分らしく締めくくる」 ことは、現代人の終活観に大きな影響を与えるだろう。

2)人間関係の見直しと孤独の受容
森永さんは、「親しい友人を作らない」というスタンスを取っていた。
これは、孤独を恐れるのではなく、自立した生き方 を示すものである。

現代日本では、高齢者の孤独や孤立が社会問題化しているが、森永さんのように 「孤独をポジティブに捉え、自分の人生を全うする姿勢」 は、多くの人々にとって新たな生き方の指針となるだろう。

3. 葬儀や死後の在り方への影響
1)簡素化された葬儀文化への影響
森永さんは、葬儀や戒名、仏壇を必要としない という考えを貫いた。
このようなシンプルな死後の在り方は、近年増加している 「直葬」や「家族葬」 といった簡素な葬儀スタイルの広がりと重なる部分がある。

経済的な理由や家族の負担を考慮して、伝統的な葬儀の在り方を見直す動き は今後さらに加速する可能性がある。

2)死後に「忘れられること」の肯定
「遺骨はゴミと一緒に廃棄して構わない」という森永さんの言葉は、死後に執着しない潔さ を示している。
現代日本では、死後の供養や墓の維持管理が家族の負担になるケースも多い中で、「忘れられること」や「無に帰すこと」を肯定的に捉える考え方 は、新たな死生観として注目されるだろう。

<結論>
森永卓郎さんの死生観は、現代日本人にとって 「自分らしく生き、自分らしく死を迎える」 ことの重要性を教えてくれるものである。
死をタブー視せず、終活や生前整理を通じて自分の人生を総括する姿勢は、多くの人にとって 「人生の終わり方」を考えるきっかけ となるだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ945号より)


 

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