2025年1月9日付のテレビ朝日が、
『中外製薬「タミフル」を出荷調整 インフルエンザの急拡大で生産追い付かず』
と言う見出しの記事を報じていました。
以下に、この記事を引用し、「中外製薬のタミフル出荷調整の背景と再発防止策」について考察しました。

《記事の引用》
インフルエンザの急激な流行によって生産体制の整備などが追い付かないとして、中外製薬が治療薬「タミフル」の出荷を調整していることが分かりました。

中外製薬は、2025年1月9日、「タミフルカプセル75」と「タミフルドライシロップ3%」について、今シーズンのインフルエンザの流行が収まるまで出荷を調整すると医療機関などに伝えました。

インフルエンザの治療薬は急激な感染拡大を受けてタミフルのジェネリック医薬品が一時、供給停止となるなど、需給が逼迫(ひっぱく)しています。

こうした影響でタミフルの需要も一気に高まり、増産を目指しているものの原料の調達や体制の整備が追い付かず、出荷量を調整するということです。

中外製薬は「多大なるご迷惑をお掛けすることとなり、心より深くおわび申し上げます」とコメントしています。
(記事の引用、ここまで)

《筆者の考察》
<背景>
◆インフルエンザの急激な流行と需給逼迫
中外製薬がインフルエンザ治療薬「タミフル」の出荷調整を余儀なくされた背景には、今シーズンの急激なインフルエンザ流行があります。
以下に、具体的な状況を説明します。

1)急激な感染拡大 
2025年に入ってからのインフルエンザ流行は例年より急速に拡大し、感染者数が短期間で増加しました。
この結果、治療薬の需要が予想を大幅に上回りました。

2)ジェネリック薬品の供給停止 
タミフルのジェネリック薬品が、一時的に供給停止となったことが需給逼迫をさらに深刻化させました。
ジェネリック薬品は価格が安いため、多くの医療機関で使用されており、これが供給停止となったことでタミフルの需要が一気に増大しました。

3)増産体制の整備が追い付かない 
中外製薬は需要増に対応するため増産を目指しましたが、以下の理由で対応が遅れました:
・原料調達の遅延:
タミフルの原料は特殊なものを必要とし、調達には時間がかかります。
・生産体制の課題:
インフルエンザの流行が急激であったため、生産設備や人員の整備が間に合いませんでした。

4)医療機関への影響 
医療機関ではタミフルの出荷制限により、患者への適切な薬剤供給が困難になる可能性があります。
特に高リスク患者や小児、高齢者の治療においては影響が大きくなると懸念されています。

<再発防止策>
◆安定供給の実現に向けた取り組み
このような供給不足を回避するためには、製薬会社や医療機関、政府が連携し、以下のような対策を講じる必要があります。

1)需要予測の精度向上
感染症流行のデータ分析を強化し、インフルエンザの流行パターンを予測する仕組みを整備します。
過去の流行データやAI技術を活用して、需要予測の精度を高めることで、早期に適切な供給体制を確立できます。

2)原料調達の多様化
特定のサプライチェーンに依存しないよう、複数の原料供給元を確保します。
国内外での原料備蓄を行い、需要急増時に備えることも必要です。

3)生産体制の柔軟化
急激な需要増加に対応できるよう、生産ラインを柔軟に稼働できる体制を整備します。
契約製造機関(CMO)との連携を強化し、増産が必要な場合に即時対応できるようにします。

4)ジェネリック薬品との協調体制
ジェネリック薬品メーカーと連携し、供給停止や不足が発生しないよう、生産情報を共有します。
医療機関や薬局での適切な代替薬の使用を推奨する仕組みを整備します。

5)政府や行政機関の支援
政府は、感染症流行時の薬剤供給を支援する政策を推進すべきです。
例えば、原料輸入時の関税減免や、製薬会社への財政的支援などが考えられます。

6)医療現場での備蓄強化
医療機関や薬局での治療薬の事前備蓄を奨励します。
特に高リスク患者に対応するための緊急用備蓄システムを構築します。

<結論>
今回のタミフル出荷調整は、インフルエンザ流行という外的要因に加え、原料調達や生産体制の整備が追い付かなかったことが主要因でした。
この問題は、感染症流行の予測と供給体制の柔軟性の欠如を浮き彫りにしました。

再発防止には、需要予測の精度向上、原料調達の多様化、生産体制の柔軟化といった製薬会社の取り組みに加え、ジェネリック薬品メーカーや行政機関との連携が不可欠です。
患者が必要な治療を受けられるよう、平時からの準備と連携を強化することが求められます。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ941号より)


 

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