2025年1月12日付の東京商工リサーチが、
『「焼肉店」倒産 過去最多45件 大手チェーンと競合、街の焼肉店が息切れ』
という見出しの記事を報じていました。
以下にこの記事を要約し、今後、倒産が予想される飲食業と対応策について考察しました。

《記事の要約》
<焼肉店倒産が過去最多、苦境続く業界の現状>
2024年、焼肉店の倒産が過去最多の45件(前年比66.6%増)に達し、記録を更新しました。
これまでの最多は2012年の35件で、当時は集団食中毒問題が影響していました。
しかし、今回は光熱費の上昇、人手不足、輸入牛肉や和牛の価格高騰といったコスト増が主な原因です。
さらに、大手チェーン店の出店拡大や価格競争の激化も、小規模店舗を追い詰めています。

<コロナ禍での勝ち組から苦境へ>
コロナ禍では高い換気能力やひとり焼肉の人気で、焼肉店は「勝ち組」とされていました。
2020年には倒産件数が14件に減少するなど業績は安定していました。
しかし、物価高や円安による仕入れコストの上昇、他業態からの参入による競争激化が経営を直撃し、特に資金力の乏しい個人経営や小規模店舗が淘汰されています。

<倒産の背景>
2024年の焼肉店倒産の93.3%(42件)は販売不振が原因で、倒産した店舗のほとんどが従業員10人未満の小規模店舗でした。
こうした店舗では仕入れ価格の交渉力が弱く、省エネ設備への投資も難しいため、競争の激化やコスト増加への対応が困難です。
さらに、値上げをしても顧客離れを引き起こすリスクがあり、厳しい状況が続いています。

<業界の今後>
今後も物価高や人手不足の影響が続く中、競争力の低い店舗は淘汰が進むと予想されます。
一方で、大手チェーンは価格設定やメニューの多様化、省エネ設備の導入などで優位性を発揮しており、業界内での二極化が進む可能性があります。
(記事の要約、ここまで)

《筆者の考察》
<今後倒産が予想される飲食業と対応策>
「倒産が予想される業種」
焼肉店と同様に、次のような業態も今後倒産リスクが高まると予想されます。

1)居酒屋 
コロナ禍以降、リモートワークやオンライン会議の普及により、歓送迎会や宴会の需要が減少しています。
さらに、酒類の提供に特化した居酒屋は物価高や酒税増税の影響を受けやすい状況です。

2)ファミリーレストラン 
光熱費や人件費の高騰に加え、テイクアウトやデリバリーの需要増加に適応しきれない店舗が苦境に立たされています。

3)高級レストラン 
円安や物価高の影響で輸入食材が高騰しており、特に海外の高級食材に依存している店舗が影響を受けています。

「対応策」
1)コスト削減の工夫 
光熱費や仕入れコストの上昇に対応するため、省エネ設備やデジタル化を活用することが重要です。
例えば、電力使用量を抑える機器の導入や、AIを活用した在庫管理で廃棄ロスを削減する取り組みが効果的です。

2)差別化戦略 
大手チェーンと差別化するため、地元食材を活用した独自メニューの開発や、地域密着型のサービス強化が求められます。
また、ひとり客や家族連れなど、特定のターゲット層に絞ったサービスを展開することも有効です。

3)価格転嫁の工夫 
単純な値上げではなく、付加価値を提供することで価格転嫁を行う方法が重要です。
例えば、セットメニューの拡充や食べ放題プランの導入など、顧客満足度を高める工夫が求められます。

4)デジタル化の推進 
オンライン予約システムやデリバリーアプリの活用など、デジタル化を進めることで、新たな収益源を確保し、顧客の利便性を向上させることができます。

<結論>
焼肉店をはじめとする飲食業界は、コスト増や競争激化などの課題に直面しています。
倒産を回避するためには、コスト削減や差別化戦略、デジタル化の推進など、多角的なアプローチが必要です。
さらに、消費者のニーズを的確に捉えた柔軟な経営が求められるでしょう。

 

 

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