2025年1月8日付の朝日新聞デジタルが、
『閉鎖の予備校「ニチガク」生徒を無償指導へ 学研、講師の転職相談も』
という見出しの記事を報じていました。
個人的には、受験が目前に迫っている中、この学研の対応は「アッパレな英断」だと評価します。
以下にこの記事を要約し、受験予備校が倒産する背景などを考察しました。

《以下、記事の要約》
2025年1月18日に控えた大学入学共通テスト直前に、東京都内の予備校「ニチガク」が閉鎖しました。
この事態を受け、学研ホールディングスは1月8日、グループ会社を通じた支援策を発表しました。

支援を行うのは、家庭教師や講師の転職サービスを手掛ける「学研エル・スタッフィング」です。
同社は、ニチガクの生徒を対象に無償で学習指導を提供します。具体的には、高校3年生や浪人生には受験日まで最大360分、1、2年生には最大960分の指導時間を設定しています。
また、閉鎖に伴い職を失った講師には、無料の転職相談サービスを提供します。

学研エル・スタッフィングの担当者は、「受験生にとって、自信を持って試験に臨むための学習環境が重要。直前講習や進路相談を受けられなくなった生徒を支援したい」と述べています。

ニチガクを運営する「日本学力振興会」は、多額の債務を抱え、破産申請を視野に入れて事業を停止しました。約130人の生徒を抱える中での閉鎖となり、学習塾業界における経営の厳しさが浮き彫りとなっています。
(記事の要約、ここまで)

《筆者の考察》
※2025年1月9日付「IT Mediaビジネス」の記事を参考にしています。
<受験予備校倒産の背景と回避するための対策>
近年、学習塾や予備校の倒産が相次いでおり、その背景には複数の要因が絡んでいます。
東京商工リサーチの調査によると、2024年には53件の倒産が発生し、負債総額は約117億円に達しました。
この流れは、少子化や競争の激化、経営モデルの変化などが影響しています。

【背景】
<学習塾倒産が増加する要因>
1)少子化の影響
子どもの数が減少する中で、生徒獲得が難しくなり、学習塾市場全体の縮小が続いています。

2)競争の激化
コロナ禍でオンライン学習が広がり、小規模な個別指導塾や無料の動画サイトが参入。これにより、従来型の学習塾は生徒の確保が一層困難になっています。

3)経営コストの上昇
教材や運営のオンライン化に伴う初期投資や運営費用が増大する一方で、授業料の競争が激しく、収益確保が難しくなっています。

4)経営の不透明さ
一部の塾では、運営管理が杜撰であり、経営破綻に至るケースも見られます。
特に、中堅以上の規模の塾での倒産も増加しており、従来の経営戦略が通用しなくなっている状況が浮き彫りです。

<受験生を持つ親が取るべき対策>
学習塾の経営環境が厳しい中、親として事前にリスクを回避するための方法があります。

1)塾の経営状況を確認
塾選びの際には、経営の安定性や実績を確認することが重要です。
受講する前に、長年の運営実績や資金的な信頼性、口コミ評判を調べましょう。

2)契約書の内容を把握
学費の前払い契約について、返金規定や補償内容を必ず確認してください。
経営破綻時の対応策が明記されているかがポイントです。

3)複数の学習方法を併用する
予備校や塾だけに頼らず、オンライン学習や家庭教師を併用するなど、学習方法を分散させておくことで、予備校閉鎖のリスクを軽減できます。

4)学習環境の柔軟性を確保
塾に通えなくなった場合でも、自宅学習に切り替えられるよう、教材やオンラインコンテンツを活用した学習環境を整えておくことが重要です。

<結論>
学習塾業界は少子化や競争激化によって、今後も倒産や再編が続くと予測されます。
親としては、塾選びの際に経営状況を慎重に見極めるとともに、多様な学習手段を取り入れることで、リスクを分散する必要があります。
また、非常時には柔軟に対応できる環境を整え、子どもの学びを途切れさせない工夫が求められています。

 

 

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