2024年12月6日付の日刊ゲンダイが、
『音楽評論家のSNSで「万引き自慢」が物議 過去には女性タレントや歌手も…“暴露”したくなる心理は?』
という見出しの記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、考察しました。

《記事の要約》
音楽評論家で、雑誌「rockin'on」の元副編集長である田中宗一郎氏が、自身のX(旧Twitter)で学生時代の万引きエピソードを明かし、物議を醸しています。

1. 田中宗一郎氏の投稿
田中氏は、12月1日の投稿で次のように学生時代の経験を語りました。

「発売日にFM雑誌を買ってめぼしい番組にマーカーを引き、放送をカセットに録音していた。
クラスメートや友人たちにレコードを買わせても、どうしても手に入らないものはレコード店で万引きしていた」「レコードが死ぬほど欲しくて万引きした経験のない同世代は信用していない」

この投稿に対し、SNSでは非難の声が相次ぎました。

「万引きを軽く語るのはただの窃盗だ。それを自慢げに披露するのは問題だ」
「音楽評論を生業とする人が万引きを美談のように話すのは許されない」
など、多くの批判が寄せられました。

2. 過去の「万引き告白」が再燃
今回の騒動をきっかけに、過去に万引きを告白した芸能人のエピソードも掘り起こされています。
2004年、タレントのあびる優氏は日本テレビの番組で「集団で窃盗を行い、ある店を閉店に追い込んだ」と語り、批判を受けて芸能活動を一時自粛。
その後、彼女の告白が引き金となり、コンプライアンス意識が高まるきっかけになりました。

また、90年代には元ヤンキーの女性歌手が「箪笥を万引きした」と語り、司会者と共に笑い話として済ませていた例もありました。
しかし現在では、そのような発言は視聴者からの厳しい批判を受けるようになっています。

3. なぜ過去の悪事を語るのか?心理学の視点
SNSでも「なぜ万引きや犯罪行為を自慢する人がいるのか?」と疑問の声が多く寄せられています。
明治大学講師の関修氏(心理学)は、こうした心理を次のように解説しています。

<自信の裏返し>
現在の地位や成功に自信がある人ほど、過去の悪事をあえて告白する傾向があります。
「自分は普通の人間ではない」「手段を選ばない情熱があったからこそ今の自分がある」といった自慢の一環で、犯罪意識は二の次になってしまうというのです。

<許されるという誤解>
「自分は成功者だから、これくらいの告白は許されるだろう」という心理的な甘えもあります。しかし、社会はどんな地位にいる人であれ、犯罪行為を容認することはありません。

<時代とのズレ>
かつては「昔は悪だった」という話が笑い話として受け入れられる場面もありましたが、コンプライアンス意識が高まった現代では、こうした発言は簡単に炎上を招きます。

《筆者の考察》
私自身の「過去」を振り返れば、「悪事」はゼロではありません。
自分の中では「悪ふざけ」で、「他人には迷惑を掛けていない」と当時は思っていましたが、今の時代にここで語れば、本人の中では「武勇伝」かもしれませんが、まわりから決して評価されることはないでしょう。

以下に、「過去の悪事を暴露する心理的背景とその影響」について、筆者の考えをまとめました。

<過去の悪事を暴露する心理背景>
1. 自己顕示欲と成功の証明
「過去にこれだけ非常識なことをしたが、現在は社会的地位を築いている」というメッセージを込めているケースがあります。
成功した現在の自分を目立たせるために、あえて「悪事」を語り、普通の人とは異なる自分をアピールしたいという自己顕示欲が働いているのです。
しかし、犯罪や倫理に反する行動を語ることが、社会からの反感を招くことを本人が軽視している場合が多いです。

2. 時代背景と認識のズレ
昭和から平成初期にかけては、「昔やんちゃだった」という話が武勇伝として語られることもありました。
特にバラエティ番組や音楽シーンでは、いじめや暴力が笑い話として扱われる風潮が残っていました。
しかし、現代社会ではコンプライアンス意識やSNSの拡散力が高まり、社会全体が過去の犯罪行為を許容しない風潮に移行しています。
時代の変化に気付かず、過去の価値観のままで発言することで批判を浴びるケースが増えています。

3. 社会や身近な人の反応
過去の悪事を暴露した際、本人が予想する反応と実際の反応には大きなギャップがあります。

<本人の想定>
「自分の過去をさらけ出すことで器の大きさを示せる」「共感や称賛を得られる」と考えるケースが多いです。
また、発言することで過去の罪悪感を軽減しようという心理も働いている可能性があります。

<社会の反応>
一方で、社会は犯罪行為に対して厳しい目を向けます。
特に現在はSNSによる情報拡散が速いため、些細な発言が大炎上につながり、本人の地位や信頼を大きく損ねる結果となります。

<身近な人の影響>
家族や友人、同僚にとっても、この種の暴露は迷惑になることが多いです。
特に仕事仲間や雇用主にとっては、組織全体のイメージを損なうリスクがあり、場合によっては処分の対象になることもあります。

【結論】
過去の悪事を暴露する心理には「自己顕示欲」や「成功の正当化」が含まれていますが、現代ではこうした発言は社会的反感を招くリスクが大きく、称賛よりも批判が集中する結果になりがちです。
発言前に自らの過去を振り返り、それが社会にどう受け取られるかを慎重に判断するべきです。
特に影響力のある立場にいる人は、責任ある行動が求められることを自覚しなければなりません。

 

【好評発売中!】

『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓

(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)

http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

Twitter:https://twitter.com/ariga9001