2024年10月17日付のRKB毎日放送が、
『「サバのカレー竜田揚げ」 食べた園児と職員10人が食中毒 原因は化学物質・ヒスタミン 発疹・かゆみ・皮膚の赤み・頭痛の症状訴える』
という見出しの記事を報じていました。
多くの方が、ご承知の通り、青魚には「ヒスチジン」というアミノ酸が多く含まれており、鮮度が低下すると「ヒスタミン」に変化します。
ヒスタミンは、熱に強く加熱調理しても分解されないので、ヒスタミンが発生したサバを加熱調理しても、発疹や頭痛などのアレルギー症状を引き起こすのです。
以下にこのRKB毎日放送の記事を要約し、考察しました。
《記事の要約》
~佐賀市のこども園で食中毒発生、原因はサバ料理~
佐賀県は、2024年10月8日に佐賀市内の認定こども園で発生した食中毒事件について、給食で提供された「サバのカレー竜田揚げ」が原因だと発表しました。
事件は、1歳から4歳の園児8人と40代の女性職員2人を含む合計10人が、給食後約1時間で発疹、かゆみ、皮膚の赤み、頭痛などの症状を訴えたものです。
幸いなことに、10人の症状は軽く、現在はすべて回復しています。
佐賀中部保健福祉事務所の調査で、原材料のサバおよび調理済み料理から「ヒスタミン」という化学物質が検出されました。
ヒスタミンは魚の鮮度が低下すると増加し、摂取すると食中毒の原因となることが知られています。
ヒスタミンは加熱調理しても分解されないため、鮮度の管理が非常に重要です。
佐賀県は、魚を使用する際は鮮度を保つためすぐに冷蔵または冷凍保存するよう呼びかけています。
この食中毒事件は、2013年以来、佐賀県内で確認された初のヒスタミンによる食中毒事例となります。
佐賀県は引き続き、食品の安全管理について注意を喚起しています。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》
2024年10月8日に佐賀市内の認定こども園で発生した食中毒事件の想定原因と給食事業者と認定こども園が実施すべき再発防止策を以下に考察しました。
〈想定される原因〉
1)鮮度の低下した魚の使用:
ヒスタミンは、魚が適切な温度で管理されていない場合、急速に増加します。
この事故の場合、サバが適切に冷蔵または冷凍されず、鮮度が保たれていなかった可能性があります。
2)不適切な食品取り扱い:
調理過程での温度管理が不十分だった可能性が考えられます。
特に、調理後の急速な冷却が行われていなかった場合、ヒスタミンの生成が促進されることがあります。
〈再発防止策〉
「給食業者に対する対策」
1)鮮度管理の徹底:
生鮮食品、特に魚介類の購入時と保管時には、鮮度が保たれるよう冷蔵または冷凍状態を厳守することが必要です。
業者は温度記録器を使用して、全過程での温度を定期的にチェックするべきです。
2)教育と訓練の強化:
調理スタッフに対して、食品安全管理に関する教育を定期的に行うことが重要です。
特にヒスタミンのリスクに対する意識向上と適切な食品取り扱い方法の習得が求められます。
3)監査とフィードバックの導入:
内部または外部の専門家による定期的な衛生監査を実施し、指摘された問題に対して迅速に対応する体制を整える必要があります。
「認定こども園に対する対策」
1)業者との連携強化:
給食業者と定期的にミーティングを開催し、食品安全に関する情報共有を行うことが重要です。
また、業者の衛生管理状況を確認するための訪問を定期的に行うべきです。
2)緊急時の対応プロトコルの確立:
食中毒発生時の迅速な対応を行うためのプロトコルを設定し、全職員がその内容を理解し実施できるようにする必要があります。
3)保護者への情報提供:
食中毒予防策や発生時の対応について、保護者に透明性を持って情報を提供し、安心して子どもを園に預けられるように努めることが望まれます。
これらの再発防止策を適切に実施することで、子どもたちの安全と健康を守り、保護者の信頼を確保することが可能になります。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ929号より)
【好評発売中!】
『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter:https://twitter.com/ariga9001