ISOマネジメントシステム認証制度では、原則的に、「審査」と「認証の決定」が別の者が実施することになっています。

このコラムの読者にとっては、「おさらい」になりますが、

・「認証の決定」では、どのようなことを検証するのか

・「審査」と「認証の決定」は、別の者が実施する仕組みになっている理由

について、解説します。

 

《「認証の決定」では、どのようなことを検証するのか》

「認証の決定」では、ISOマネジメントシステム認証制度において、審査機関が行った審査の結果を基に、その組織がISOの規格要求事項を満たしているかどうかを検証し、認証を発行するかの最終的な決定を行います。

具体的には、以下のポイントが検証されます。

 

1)審査報告書のレビュー:

審査機関による審査のプロセスと結果が記載された報告書を詳細にレビューします。この報告書には、審査中に特定された不適合、観察点、強みなどが記載されています。

 

2)不適合事項の解決:

審査中に特定された不適合事項に対して、組織が適切な是正措置を講じたかどうかを検証します。

是正措置が適切に行われ、再発防止策が実施されていることを確認します。

 

3)審査プロセスの適切性:

審査がISOの要求するプロセスに従って行われ、規格の全ての要求事項が適切に審査されたかを検証します。

また、審査員の資格や審査の公平性に問題がなかったかも評価の対象になります。

 

4)組織のマネジメントシステムの適合性:

組織のマネジメントシステムがISO規格の要求事項に対して適合しているか、また、そのシステムが効果的に運用されているかを確認します。

 

《「審査」と「認証の決定」は、別の者が実施する仕組みとなっている理由》

審査と認証の決定を別の者が実施する仕組みは、認証プロセスの公平性と客観性を確保するために設けられています。

この仕組みには以下のような理由があります。

 

1)公平性の確保:

審査を行う者と認証の決定を行う者を分けることで、認証プロセスにおける利益相反の可能性を最小限に抑え、公平な判断が下されるようにします。

これにより、認証プロセスの信頼性が向上します。

 

2)客観性の強化:

審査員が審査に集中し、その結果に基づいた報告を行う一方で、別の専門の者がその報告を客観的に評価することで、より正確で公正な認証判断が可能になります。

 

3)品質保証:

審査と認証の決定を分離することにより、認証機関自身の品質管理プロセスが強化されます。

これは、認証機関が提供するサービスの品質を高め、国際的な基準に合致させることを目的としています。

 

4)透明性の向上:

審査プロセスと認証の決定プロセスが分けられることで、プロセス全体の透明性が向上します。

組織やその利害関係者は、認証プロセスが厳正に実施されていることをより確信できるようになります。

 

このように、審査と認証の決定を分離することは、認証プロセスの信頼性、公平性、透明性を確保し、組織にとっても利益関係者にとっても価値のあるものとするために重要です。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ898号より)
 

 

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