2024年8月27日付で共同通信社が、
『地理的表示保護に初の菓子登録 ちんすこうなど4品追加、農水省』
と言う見出しの記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、筆者の感想を述べます。
《記事の要約》
農林水産省は2024年8月27日に、地理的表示(GI)保護制度の下で新たに4つの産品を登録しました。
この制度は、特定の地域で生産される農林水産物や食品ブランドを保護するもので、今回の登録には国内外から選ばれた産品が含まれます。
新たに登録されたのは、沖縄県の伝統菓子「ちんすこう」、鳥取県のネギ「伯州美人」、兵庫県のそうめん「揖保乃糸」、そしてタイの「フアイムン・パイナップル」です。
この中で「ちんすこう」は菓子類としては初のGI登録となります。
「ちんすこう」は、琉球王朝時代に始まる伝統的なお菓子で、観光土産としても人気があります。
「伯州美人」ネギは、特有の育種改良を経て開発された品種で、加熱すると特有の甘みととろける食感が楽しめます。
「揖保乃糸」そうめんは、600年以上続く手延べ製法と、特別な熟成倉庫での保存方法が評価されました。タイの「フアイムン・パイナップル」は、穏やかな気候で育てられ、特に高い糖度が特徴です。
「GI制度」のもとで登録された産品は、専用のマークを付けて販売することが可能になり、不正な表示や模倣を防ぐための国の監督下に置かれます。
これにより、生産者のビジネス拡大や地域経済の活性化が期待されています。現在、このような制度は世界100カ国以上で導入されています。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》
「GI制度」は、不正な表示や商品の模倣を防ぎ、生産者のビジネス拡大や地域経済の活性化というメリットがあります。一方、「GI制度」のデメリットは、殆どないように思われますが、敢えて、デメリットを挙げると、以下の点が挙げられます。
1)コストと管理の負担
GI登録には手続きや管理のコストがかかります。
登録プロセスには緻密な文書作成と証明が必要で、これらを維持更新するためには継続的な労力と費用が必要です。小規模生産者にとっては、このコストが負担となる場合があります。
2)市場への参入障壁
特定の商品にGIが付与されると、その地域外の生産者は同じ名称での販売ができなくなるため、市場参入の障壁となり得ます。
これは消費者の選択肢を制限し、地域外の生産者にとって不利益となる可能性があります。
3)創造性の制限
GI制度は特定の製造方法や地域に基づくため、生産者が新しい技術や方法を採用する際に制限を受けることがあります。
これにより、革新的な変更が抑制される恐れがあります。
4)過剰な規制による柔軟性の欠如
GIの厳格なルールは、特定の条件下でのみ製品が生産されることを保証しますが、天候不順などの不測の事態に対応しにくくなるという問題があります。
これにより、生産量の安定性が損なわれることがあります。
5)違法な模倣品の増加
GIタグが付いた商品は高く評価されるため、偽物や模倣品が市場に出回ることがあります。
これにより、正規の生産者が不利益を被ることがあります。
6)地域間の格差の拡大
GI制度が成功すればするほど、GI登録を得ていない地域との間に経済的な格差が生じる可能性があります。
これにより、特定地域への投資が集中し、他地域が見過ごされることがあります。
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