2024年8月18日付の東洋経済オンラインが、

『「41歳で東大受験」わずか1年で合格した彼の学び 仕事もある中で、なぜ受験を決意したのか?』

という見出しの記事を掲載していました。

以下に、この記事を要約し、筆者の感想を述べます。

 

《記事の要約》

社会人の再学習やキャリア変更のトレンドが増える中、「あなたの人生をダメにする勉強法 「ドラゴン桜」式最強タイパ勉強法で結果が変わる」という書籍を上梓した青戸一之さんは、30歳で東京大学への挑戦を開始し、成功を収めました。今回は、同じく41歳で東大に合格した風間光太さんの話を聞く機会がありました。

 

風間さんは1982年、北海道函館市出身で、東北大学土木工学科を卒業後、東京大学大学院で社会基盤学を学びました。修士課程修了後は高速道路会社に就職しましたが、仕事のプレッシャーから退職。その後、複数の職を転々とし、不動産鑑定業の会社を最後に退職し、自営業を開始しました。昨年、自分の事業として不動産事務所を開業しましたが、更なる専門知識を得るため法律の資格取得を目指し、東大受験を決意。短期間での成功を収めました。

 

風間さんの勉強法は、独学によるもので、毎日平均7時間の学習をこなしています。特に効果的だったのは、苦手な科目に短時間集中する方法と、過去問を使った実践的な学習でした。東大法学部のゼミなど、興味のある分野を深く学ぶことができる環境が魅力の一つとなっています。

 

風間さんのような例は、社会人が自身のキャリアを見直し、専門知識を深めるために学び直しをする動きが増えていることを示しています。また、風間さんは学生時代には感じられなかった学びの楽しさや意義を、社会人としての経験を経て改めて実感しています。大人になってからの学び直しは、目標が明確で、その達成が現実の利益に直結するため、モチベーションの維持が比較的容易であるとも言えます。

 

このように、社会人になってからの学び直しやキャリア変更は、自身の成長につながるだけでなく、専門的な知識や技能を更新することで、更なる職業的な可能性を拓く重要なステップとなり得ます。風間さんの事例からは、年齢を重ねても学び直しに遅すぎることはないというメッセージが強く伝わってきます。
(記事の要約、ここまで)

 

《筆者の感想》

「大学受験に弱かった」筆者からすれば、現役時代に東北大学工学部土木工学科に入学している時点で、「受験エリート」で、正直な所「凄いなぁ」とは思いますが、一般的には、参考になりません。

また、記事の最後は、「いくつになっても、学び直しは大事」という結論で締めており、そのこと自体は「激しく同意」ですが、この方のインタビュー記事を読む範囲で、「学び直しの目的」と「東大受験」が、イマイチ、ピンときません。

 

というのも、この方は、東北大を卒業し、東大大学院に進学し、高速道路運営会社に就職し、数年して挫折を感じ転職されます。

その後、不動産鑑定士の資格を活かして、司法書士の資格取得を目指しながら、独立開業され、記事から想像すると、「弁護士資格を取得することで、不動産に強い不動産鑑定士を目指している」ように思われます。

弁護士資格を取得する手段として、「法科大学院からの司法試験受験より、予備試験からの司法試験受験」を選択される流れはよく理解できます。ただ、「予備試験合格者には、東大や京大法学部の学生が多い」という点が、「東大受験の動機付け」となっており、それ自体の方法論は、理解できますが、「そのことと、社会人になってからの学び直しとしての東大受験」が、どうも、一致しないのです。

言葉は悪いですが、少し「学歴厨」ではないかと、記事を読んだ読後感として感じました。

 

短いインタビュー記事ですから、この方のことがよく表されているとは思いませんが、そもそも、「高速道路運営会社でプロジェトを任され、仕事の質が期待するレベルに達していない」と感じた「原因」を「解決する手段としての学び直し」→「結果としての東大法学部(文科一類)受験」なら、よく分かります。

しかし、この方の場合、現役時代は、土木工学を専攻し、それが生かせる職場に入社されたのだから、例えば、「自分に足りないのは法律知識だ」ということなら、わかるのですが、そこがどうも分からない記事です。

 

学生時代からの友人で、首都高速道路公団勤務の方がいます。この方は、いわゆる「地方私立大出身」で、この記事の方と比較すれば、「非エリート」です。

しかし、今では、管理職に就いています。

仮に、この方は、「勉強はできるけど、仕事の目的達成遂行能力が低い」と感じたなら、「大学での学び直し」より「学歴でそこそこ勝負できる公務員」などへの転職の道の方が無難です。

 

ただ、私は「社会人になってからの学び直し」には、色々な形態があっていいと思っています。

しかし、このケースは、一般的にイメージする「学び直し」ではないのかなぁ、と思います。

 

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