サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。
そこで、今回は、「警備業」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。
《“警備業”における危険源の事例》
a. 交通事故のリスク:
交通誘導警備中に、従業員が車両や自転車、歩行者との接触事故に遭遇する可能性。
b. 暴力や脅威に晒されるリスク:
警備対象の施設やイベントで、不審者や暴力行為に直面する危険性。
c. 健康問題:
長時間立ち仕事や夜勤による体調不良、過労、ストレス。
d. 自然災害時のリスク:
地震や台風などの自然災害発生時における安全確保の困難。
e. 機材の使用に伴うリスク:
通信機器や交通誘導用具などの不適切な使用や故障による作業の妨げ。。
《危険源に対する管理策の事例》
a. 安全教育と訓練:
従業員に対する交通安全教育、暴力対応訓練、健康管理に関する指導を定期的に実施。
b. 適切な装備の提供:
反射材付きのユニフォーム、安全靴、ヘルメットなど、作業に適した保護具を提供。
c. コミュニケーション体制の確立:
緊急時の迅速な連絡を可能にするための通信機器の整備と使用方法の教育。
d. 勤務時間の管理:
長時間労働の防止、適切な休憩時間の確保、夜勤と昼勤のバランスの取り方を計画。
e. 緊急対応計画の策定:
自然災害や緊急事態が発生した際の行動指針を明確にし、定期的な訓練を実施。
《警備業に関連する法規制の事例》
「警備業」に適用される「労働安全衛生に関する日本の法規制及びその他の要求事項」には、従業員の安全と健康を確保するための様々な規定が含まれます。以下はその事例です。
A.労働安全衛生法(労安法):
労働者の安全と健康の確保を目的とする基本法律で、警備業においても適用されます。この法律には、労働者への安全衛生教育、職場の安全衛生管理、危険または有害な業務への対策、健康診断の実施などが含まれます。
b.労働基準法:
労働時間、休憩、休日、残業、夜勤などに関する基準を定めています。警備業では、特に不規則な勤務時間や夜間勤務が多いため、適正な労働時間管理や健康保持の観点から重要です。
c.産業安全衛生法:
労働安全衛生法と並び、作業環境の安全や健康を守るための具体的な技術的基準を定めています。警備業においては、特に交通誘導や施設警備などで使用する機材の安全基準や、夜間作業における照明の基準などが該当します。
d.道路交通法:
警備業務において交通誘導などを行う際には、道路交通法の規定に従う必要があります。安全な交通誘導や、適切な交通管理計画の作成、反射材の使用などが求められます。
e.犯罪被害者保護法:
警備業務を行う上で、犯罪被害者と直接接する場合があります。この法律に基づき、犯罪被害者の保護と支援に関する適切な知識と理解が求められることがあります。。
《警備業の緊急事態想定と対応手順の事例》
a. 交通事故発生時:
事故発生時には直ちに安全を確保し、緊急サービス(警察、救急車)に連絡。事故の詳細を記録し、後のレポート作成のための情報を収集。
b. 暴力行為への対応:
暴力行為に直面した場合は、安全な距離を保ち、可能な限り対話で解決を試みる。必要に応じて警察に通報。
c. 健康問題の発生:
従業員が健康問題を訴えた場合、直ちに作業を中断し、医療機関への受診を勧める。
d. 自然災害時の対策:
地震や台風などの自然災害発生時には、直ちに安全な場所への避難を指示し、従業員と連絡を取り合う。
e. 機材故障時の対処:
通信機器やその他の機材が故障した場合、速やかに代替品を用意するか、修理を依頼。必要に応じて作業の一時停止を決定する。
以上が、「警備業」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。
マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ895号より)
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