2024年8月1日付の「ラジオ関西トピックス」が、

『神戸徳洲会病院 カテーテル治療後、患者死亡「偶発的」との見解に弁護団「調査と説明、尽くされず」』

と言う見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、考察しました。

 

《記事の要約》

神戸市垂水区の神戸徳洲会病院で発生した、カテーテル治療後の患者死亡事案について、2024年7月31日に弁護団が神戸市内で記者会見を開催しました。

 

会見では、特に70代男性患者のケースが取り上げられ、2023年1月に死亡したこの患者は急性心筋梗塞で緊急搬送され、治療中に二度の心停止を経験しました。

最初のカテーテル治療後、呼吸が停止し約20分後に心拍再開。しかし、二度目の治療後に再び心停止し、そのまま死亡しました。

 

病院側は2024年3月にこの件についての調査報告書を作成。

報告では、「心筋梗塞の合併症としての心破裂が死因であり、開胸手術を行っても救命の可能性は低かった」と結論付けています。

しかし、この点に対して遺族側は納得しておらず、弁護団は不十分な分析と説明を問題視しています。

 

弁護団によると、早期に患者の状態が悪化していることを察知し、適切な対応が取られていれば、患者の救命が可能だったかもしれないとの指摘があります。

また、医療記録の保管が不十分であることも問題点として挙げられています。

 

この問題に対して、弁護団は専門家の意見を聞きながらさらに詳細な調査を進め、必要に応じて損害賠償請求の可能性も検討する予定です。

また、第三者機関である「医療事故調査・支援センター」への調査依頼も考えています。

 

なお、神戸徳洲会病院はこれまでにカテーテル治療を受けた11人が死亡しており、糖尿病患者の不適切な治療による死亡事例も発覚しています。

これらの一連の問題に対し、神戸市は医療法に基づく業務改善命令を病院に出しています。

 

《筆者の考察》

カテーテル治療における患者死亡事故は、医療界にとって重大な問題であり、医療機関が適切な対応策と綿密な原因究明を通じて再発を防ぐことが急務です。

神戸徳洲会病院での最近の死亡事例は、医療安全管理の欠陥を指摘し、改善の必要性を浮き彫りにします。

 

〈事故の想定される原因〉

1)適切なモニタリングと迅速な対応の欠如:

神戸徳洲会病院での事例において、患者は治療中に心停止を経験しましたが、即座に効果的な対応が行われなかった可能性があります。

心停止後の適切な対応が遅れることで、患者の生存率は大幅に低下します。

 

2)技術的問題やプロトコルの不備:

カテーテル治療には常に詳細な画像記録が伴います。

治療の過程で生じた技術的なミスやプロトコルの不備が原因で事故に至った可能性があります。

 

3)医療記録の不備:

医療記録の不適切な管理または故意の隠蔽が疑われます。

適切な医療記録の保管と開示は、治療の透明性を保ち、必要に応じた再評価を可能にするために不可欠です。

 

〈再発防止策〉

1)改善されたモニタリングと迅速対応プロトコルの導入:

病院は、カテーテル治療における緊急対応プロトコルを見直し、全スタッフがこれを遵守するように教育する必要があります。

特に、心停止などの重篤な合併症が発生した場合の対応スピードを上げるための訓練が重要です。

 

2)医療技術の見直しと専門家による評価:

カテーテル治療を行う医師の技術レベルを定期的に評価し、必要に応じて追加の訓練を提供します。

また、疑問が生じた場合は、独立した第三者機関による評価を受けることが有効です。

 

3)全医療記録の厳格な管理と保管:

医療記録は患者の治療履歴を正確に反映するものであり、その適切な保管は医療過誤を防ぐために極めて重要です。

デジタル記録の使用を推進し、アクセスの監視とセキュリティの向上に努めるべきです。

 

4)患者とのコミュニケーション強化:

患者やその家族との透明なコミュニケーションを確保し、治療選択において彼らの意見を尊重します。

これには、リスク、代替治療法、予期される治療結果についての情報提供が含まれます。

 

〈結論〉

医療事故は避けがたい側面がありますが、その発生を最小限に抑え、事故後の対応を最適化することで、患者の安全と信頼を確保することが可能です。

神戸徳洲会病院のような事例は、これらの原則がどれほど重要かを改めて浮き彫りにします。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ918号より)
 

 

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