2024年7月14日付のABCニュースが、

『柔道訓練中に頭を強打 意識不明の重体だった女性巡査が死亡 京都府警』

という見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、考察しました。

 

《記事の要約》
京都府警は、警察学校での訓練中に重傷を負った女性巡査が、搬送先の病院で亡くなったことを2024年7月13日に発表しました。

この女性巡査は7月1日に、京都市伏見区の警察学校柔道場での「乱取り」訓練中に畳で頭を強く打ち、病院へ搬送されました。

 

女性巡査(23歳)は、急性硬膜下血腫と診断され、緊急手術を受けましたが、その後も意識不明の重篤な状態が続いていました。

亡くなるまでの間、彼女は病院で治療を受けていましたが、最終的には命を救うことはできませんでした。

 

女性巡査は2024年4月に京都府警に採用されたばかりで、柔道の経験は初心者でした。

訓練中は安全対策として頭を保護するヘッドキャップを着用していましたが、それでも重大な事故が発生してしまいました。

 

この悲劇を受けて、京都府警は「お悔やみを申し上げるとともに、同様の事故が二度と起こらないように再発防止策を徹底していく」とのコメントを発表しました。

また、警察は事故の詳細な原因を調査中です。

(記事の要約、ここまで)

 

《筆者の考察》
〈事故の背景〉

京都府警によると、被害者である23歳の女性巡査は、2024年4月に新たに採用されたばかりの初心者でした。

彼女は、7月1日に警察学校の柔道場で行われていた乱取り訓練中に事故を起こしました。

乱取りとは、複数の対戦者が同時に技をかけ合う訓練であり、柔道の練習においては比較的高度な技術を要求されるものです。

 

〈想定される事故原因〉

事故の原因は主に初心者の受け身技術の未熟さにあると考えられます。

柔道における頭部外傷は、一般的に後方に転倒する技、例えば大外刈りや大内刈りから発生しやすいです。

これらの技は、被投げる側が適切な受け身を取らなければ、頭部を強打してしまうリスクが高まります。

 

女性巡査は柔道初心者であり、受け身の技術が十分に身についていなかった可能性が高いです。また、相手が熟練者であれば、技の掛け方が強すぎた可能性も考えられます。

初心者同士の場合は、技の強度が抑えられるべきですが、指導者の監視不足や、訓練の過程での安全配慮の欠如があった可能性があります。

 

〈再発防止策〉

1)教育と訓練の見直し:
初心者には基本から徹底して教育を行い、特に受け身の技術に重点を置くべきです。
また、訓練の初期段階では、熟練者と初心者を組ませることで安全性を高め、初心者同士の対戦を避けるべきです。

 

2)訓練手順の強化:
乱取りのような高度な訓練は、参加者が一定の基準をクリアした後にのみ参加できるように制限を設けるべきです。
また、訓練中は常に専門の柔道指導者が監督し、適切な介入ができる体制を整える必要があります。

 

3)安全装備の見直し:
ヘッドキャップなどの安全装備を見直し、より高度な保護性能を持つ装備の導入を検討します。また、装備の着用方法についても定期的なチェックと指導を行うことが重要です。

 

4)事故発生時の迅速な対応手順の確立:
万が一の事故が発生した場合に備え、迅速に対応できる医療体制を整えることも必要です。
訓練場には常に救急キットを完備し、緊急時の連絡網を確立しておくべきです。

 

この事故は非常に悲惨なものであり、京都府警にとって大きな教訓となります。
将来的に警察官として市民の生命を守る重責を担う者が、訓練中に命を落とすことがないよう、警察内部の教育体系と安全対策の徹底が求められています。

 

それにしても、報道情報から、当時の練習現場を勝手に想像すると、亡くなった巡査の乱取り相手が大内刈りを掛けたそうなので、亡くなった巡査は、真後ろに倒れ、ダイレクトに後頭部を畳に強打したのではないかと思います。

この場合、技を掛ける側の注意点は、「からだを密着させたままの浴びせ倒しの禁止」です。

浴びせ倒しは、相手が初心者の場合、受身が取れず、今回のように事故に繋がりやすいので、技を掛ける側は、相手が受身を取りやすいような配慮が必要です。

技を受ける側の注意は、「倒れる際に(頭を打たないよう)顎を引き、畳を叩く」です。

 

私は、剣道は、6年間、陸上自衛隊で習った経験がありますが、柔道経験は、中学、高校の体育の授業のみです。

ただ、柔道の授業は、体育教師の中でも、柔道を専門に経験してきた教師が指導していて、いま考えると、安全指導が徹底されていました。

思い起こせば、授業の中心は、受身の徹底と事故に繋がりやすい危険な技の禁止の指導。

よく覚えているエピソードとして、私が乱取りで組み合った相手がラグビー部で、彼は、ラグビーのタックルのように低い姿勢から私の両足を取りに来て、私は、尻餅をつきました。

その時、柔道場に「やめー!」と先生の大きな声が飛び、生徒全員が乱取りを中止して、集められ、私が掛けられた「両足刈り」の技の禁止と危険性を実演付きで解説しました。

高校の授業以降、柔道着を着て乱取りをしたことはありませんが、柔道場に入った際は、この時の記憶が蘇り、思わず前転受身と後ろ受身をしてしまいます。

 

事件当時の詳細は分かりませんが、「不幸な事故」と単純に処理せず、しっかりと再発防止策を京都府警には取ってもらいたいと思います。
 

 

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