2024年6月19日付の共同通信社が、

『配食事業で安否確認怠る、札幌 高齢女性死亡、発見遅れ』

と言う見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、考察しました。

 

《記事の要約》

札幌市は2024年6月19日に、市が行っている高齢者向けの配食サービスに関連する問題を公表しました。

このサービスは介護保険事業の一環として実施されていますが、委託された業者「丸高三信堂」が安否確認の義務を怠ったため、重大な問題が発生しました。

 

具体的な事案として、2024年6月7日、配達員が80代女性の自宅を訪れましたが、女性からの応答がなく、配達員は食事をドアノブに掛けたまま退去しました。

翌日、別の配達員が女性宅を訪れた際には、前日の食事が未だドアノブに掛かった状態で残されていましたが、この配達員も安否の確認を行わず、単に食事を交換するだけで立ち去りました。

 

この結果、女性は自宅内で倒れている状態が続き、発見が遅れたことから、後に医療機関で死亡が確認されました。

札幌市はこの事故について女性の死因は公表していませんが、配食サービスの実施において安否確認が行われなかったことについて、市は業者に対して改善報告書の提出を求め、女性の家族に対しては謝罪を行いました。

 

この事件は、高齢者向けサービスの実施における安全管理の重要性を改めて示しており、札幌市は今後このような事故が再発しないよう対策を講じることが求められます。

(記事の要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

札幌市で発生した高齢者配食サービスに関連する事故は、高齢者ケアの安全対策と管理体制における重大な欠陥を浮き彫りにしました。

この事故は、80代女性が自宅で倒れている状態が遅れて発見され、最終的に死亡に至ったものです。

この事件から浮かび上がる主要な問題点と再発防止策を以下に述べます。

 

〈想定される原因〉

1)安否確認の怠慢:

事故の根本的な原因は、配食サービスを提供する際の安否確認の怠慢にあります。

配達員は、応答がないにも関わらず、適切な安否確認を行わず、食事をドアノブに掛けるだけで退去したことです。

 

2)訓練と指導の不足:

配達員が基本的な安全チェックを怠ったことは、従業員への十分な訓練と指導が行われていないことを示しています。

 

3)コミュニケーションの欠如:

異常を認識した際の報告ルーティンが確立されていなかった、または従業員がそれを適切に実行していない。

 

4)監視システムの不備:

委託業者による安全管理の監視と評価のシステムが不足していた可能性があります。

 

〈再発防止策〉

1)徹底した安否確認手順の確立:

配食サービスにおける安否確認を徹底するための明確な手順を確立し、全ての配達員がこれを遵守するようにします。

これには、応答がない場合の対応手順を含めます。

 

2)定期的な研修と教育プログラム:

全ての配達員に対して、定期的な研修を実施し、緊急時の対応スキルや安全手順について教育を行います。

 

3)コミュニケーションと報告の強化:

緊急時の迅速な対応を可能にするため、内部コミュニケーションと報告システムを強化します。特に、安否確認で異常が見られた場合の迅速な報告と対応が求められます。

 

4)監視システムの導入:

配食サービスの運営においてリアルタイムで監視を行うシステムを導入し、全ての配送活動が適切に行われているかを常にチェックします。

 

5)フィードバックと改善の継続的なサイクル:

事故やインシデントが発生した際には、それを詳細に分析し、見つかった問題点を基に業務プロセスを見直し、継続的な改善を行います。

 

これらの再発防止策は、高齢者向け配食サービスの安全性を高めるだけでなく、利用者とその家族に対する信頼を築く上で不可欠です。

札幌市はこの悲劇を教訓として、将来同様の事故が発生しないよう対策を講じる必要があります。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ912号より)
 

 

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