2024年6月21日付けの中国放送(RCC)が、

『「タラップから墜落した」作業の男性1人死亡 3人が重軽傷 大型船に取り付けた約10mのタラップごと地面に落ちたか 広島の造船所』

と言う見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を引用し、考察しました。

 

《記事の引用》※筆者が一部編集

警察と消防によりますと、2024年6月21日午後4時ごろ、広島県福山市沼隈町の造船所で、大型船に取り付けたタラップで作業をしていた男性4人が転落する事故がありました。

 

この事故で50代の男性作業員が意識不明で病院に運ばれましたが、およそ3時間後に死亡が確認されたということです。また、50代の男性2人が重傷、20代の男性1人が軽傷見込みだということです。

造船所の関係者から「タラップから墜落した」と通報があり、消防が駆け付けたところ、3人が地面に、20代の男性は海に転落していたということです。

 

タラップは大型船に取り付ける階段状のもので、高さは約10メートルとみられています。

4人はタラップごと転落したとみられていて、警察が詳しい事故の原因を調べています。

(記事の引用、ここまで)

 

《筆者の考察》
広島県福山市の造船所で発生した大型船のタラップ転落事故は、重大な安全管理の問題を指摘しています。この事故により、一人の男性作業員が死亡し、他三人が負傷するという悲劇が起きました。事故の原因と再発防止策を考察することは、同様の事故を防ぐために極めて重要です。

 

〈想定される原因〉

1)タラップの構造的問題:

タラップが転落したことから、取り付けや構造に問題があった可能性が考えられます。耐荷重の不足や不安定な取り付けが事故の原因である可能性が高いです。


2)安全基準の不遵守:

作業員がタラップごと転落したことは、安全基準の遵守が徹底されていなかったことを示唆しています。安全ハーネスの使用義務違反や、安全教育の欠如が原因である可能性があります。


3)保守・点検の不備:

定期的な保守や点検が適切に行われていなかった場合、タラップの劣化や損傷が見過ごされることがあります。これが転落事故に繋がることがあります。


4)作業監督の不足:

作業監督者の不在または不適切な監督が事故に繋がった可能性があります。適切な監督の下でなければ、危険な状態が放置され、事故に至るリスクが高まります。


〈再発防止策〉

1)タラップの耐荷重と構造安全性の再評価:

タラップの設計と構造を見直し、必要な耐荷重を満たしているかどうかを確認する必要があります。さらに、取り付け方法も安全基準に則って行う必要があります。


2)安全教育と訓練の徹底:

全ての作業員に対して、定期的な安全教育と訓練を実施し、特に高所作業におけるリスクと安全対策についての認識を高める必要があります。


3)定期的な保守と点検:

タラップを含むすべての作業設備に対して、定期的な保守と点検を行い、任意の破損や劣化があれば即座に修理または交換を行います。


4)監督体制の強化:

作業現場における監督体制を強化し、作業の各段階で安全確認を行うことが必要です。また、非常時の対応プロトコルを全員が理解し、遵守することが求められます。


5)コミュニケーションの改善:

作業チーム内でのコミュニケーションを強化し、安全に対する意識を常に高めるよう努めること。不明瞭な点や不安な点があれば、すぐに報告し、確認を取る文化を作ることが重要です。

このような再発防止策を講じることで、将来的に同様の事故を未然に防ぐことが可能です。また、これらの対策は、作業員の生命と安全を守るために不可欠であり、事業者にとっての責任として重く受け止める必要があります。

 

《その他》

記事に掲載されている住所を調べると、「常石造船株式会社」で事故は発生したようです。

ちなみに、常石造船株式会社は、ISO9001と14001の認証を取得しています。
(認証機関は、一般財団法人 日本海事協会(ClassNK))

マネジメントシステム面では問題がなかったのか、認証機関の対応にも注目です。

 

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