2024年6月13日付のスポニチAnnexが、

『ミセス新曲「コロンブス」MV、公開停止 問題点は? 類人猿との“架空の物語”説明も…先住民と重ねる声』

と言う見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、問題点について、考察しました。

《記事の要約》

ロックバンド「Mrs.GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)」がリリースした新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)が、公開直後に物議を醸し、最終的には公開停止となる事態に至りました。この一連の出来事は、文化的感受性や歴史的認識に対する現代社会の敏感さを浮き彫りにしています。

 

「コロンブス」のMVは、大航海時代の探検家クリストファー・コロンブスと他の歴史上の人物たちが現代にタイムスリップし、類人猿と共にパーティーを楽しむという架空のシナリオを描いていました。しかし、この内容が一部の視聴者から不適切であると捉えられ、特に問題視されたのは、類人猿を使った演出でした。この演出が、先住民や奴隷といった歴史的な背景と無理に関連づけられ、不快感を与えたとされます。

 

具体的には、類人猿に文明を教えるシーンや、人力車を引かせる描写が「奴隷労働」を想起させると批判されました。これは、コロンブス自身が過去に先住民の虐待や奴隷貿易に関与していたという歴史的事実と結びつけられたためです。さらに、クリストファー・コロンブスの人物像が近年再評価され、その過去の行為が問題視されていることも、反発を招いた大きな要因でした。

 

この騒動は、ソーシャルメディアを中心に広がり、ファンや一般の視聴者からは様々な反応が寄せられました。一部のファンはバンドを擁護し、表現の自由や創造的な試みを尊重する意見を示す一方で、不快感を示す声や、文化的な配慮の欠如を指摘する意見も目立ちました。

 

レコード会社「ユニバーサル ミュージック合同会社」は、この問題に対して公式に謝罪し、「文化的背景への理解に欠ける表現があった」との認識を示しました。また、公開前の確認プロセスが不十分だったと反省し、再発防止に努めることを表明しました。

 

この事件は、グローバル化が進む現代において、異文化間の感受性をどのように理解し、尊重していくかがクリエイティブ産業にとって重要な課題であることを示しています。アーティストやクリエイターは、国際的な視聴者に対する配慮を深め、多様な文化背景を有する人々がどのように作品を受け止めるかを考慮する必要があります。

(記事の編集、ここまで)

《筆者の考察》
ロックバンド「Mrs.GREEN APPLE」がリリースした新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)は、公開直後に大きな論争を引き起こし、結果的に公開停止という措置が取られました。この一連の出来事は、現代社会におけるポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)の影響と、それに対する制作プロセスの甘さが露呈した事例として注目されています。

 

〈制作から公開までの経緯と問題点〉

「コロンブス」という楽曲自体は、大航海時代の探検家クリストファー・コロンブスに扮したキャラクターが、他の歴史的人物と共に類人猿と交流するという架空のシナリオを描いていました。しかし、このMVに登場する類人猿に文明を教えるシーンや、人力車を引かせる描写が、一部視聴者から「先住民や奴隷に対する侮辱」と受け取られ、炎上に至りました。

 

MVの内容が問題視された背景には、クリストファー・コロンブスの歴史的評価の変遷があります。彼は近年、先住民虐殺や奴隷貿易に関与していたとして批判されることが多く、それに伴い彼を題材にした表現への敏感さも増しています。このような文化的、歴史的背景を踏まえた上でのチェックが、MV制作プロセスにおいて不足していたことが露見しました。

 

〈再発防止策としてのマネジメントシステムの見直し〉

今回の一件は、制作会社やスポンサーのチェック体制の甘さを示しています。大企業であるコカ・コーラとのタイアップがあるにも関わらず、このような問題が起こったのは、制作過程での多様なステークホルダーからのフィードバックが不足していたことが原因です。再発防止策として、企業やレーベルは制作物の内容に対する内部レビューを厳格化し、文化的なセンシティビティを養うための教育も強化する必要があります。

 

〈ポリコレへの功罪〉

現代社会におけるポリコレへの取り組みは、「息苦しさ」を感じさせる一方で、歴史的な不正義に対する意識を高める効果もあります。しかし、表現の自由とのバランスを取ることが求められる場面も多く、過敏に反応することが逆に新たな問題を生むこともあります。適切な歴史理解と文化間の対話を促進することで、より健全な社会の発展を目指すべきです。

 

〈結論〉

「Mrs.GREEN APPLE」のMV公開停止問題は、現代のエンターテイメント業界において、文化的感受性と表現の自由の間でどのようにバランスを取るかという課題を浮き彫りにしました。
制作過程における厳格なチェックとともに、教育と対話を通じて、より豊かで理解ある社会を築いていくことが求められています。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ911号より)
 

 

【好評発売中!】

『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓

(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)

http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

Twitter:https://twitter.com/ariga9001