2024年6月15日付のMBSニュースが、

『運行トラブルは『指令員の認識不足』が原因 特急「はるか」の乗客は最寄り駅まで歩く JR西日本』

という見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を引用し、考察しました。

 

《記事の引用(※一部、筆者が編集)》
JR西日本は、2024年6月11日から相次いだ3件の運行トラブルについて、指令員の認識不足などが原因だったと明らかにしました。

 

6月12日早朝、JR茨木駅で信号が赤から変わらない状態となり、特急「はるか」の乗客約120人が最寄り駅まで徒歩で移動するなど、6月11~12日にかけて運行トラブルが3件相次ぎました。

 

JR西日本は、6月14日に会見を開き、トラブルの原因について、指令員の認識不足で駅に進入できる車両数を超えて貨物列車を停車させたことや、列車を緊急停止させる装置の不具合だったなどと発表しました。

 

一連のトラブルによる影響は22万人に上っていて、JR西日本は「組織への教育の見直しを図る」としています。

(記事の引用、ここまで)

 

《筆者の考察》
JR西日本が2024年6月に発生した3件の運行トラブルに関して、公に認識不足などが原因であったと明かした事例は、大規模な公共交通機関のマネジメントシステムにおける重要な問題点を浮き彫りにしています。

この事案を基に、想定される問題点と再発防止策について考察します。

 

〈問題点の特定〉

1)人的エラーとシステム依存のバランス:

指令員の認識不足が原因であったということは、訓練や経験の不足が露呈しています。自動化された信号システムに過度に依存することなく、異常時に迅速に対応できる人的資源の確保と訓練が不十分であった可能性があります。

 

2)情報共有と協力体制の不備:

貨物列車の長さに関する誤認は、異なる運営体間の情報共有の欠如を示しています。異なる運営体間での連携不足は、緊急時の対応を遅らせる原因となります。

 

3)既存の安全対策の不足:

過去にも類似のトラブルが発生していた場合、その教訓が現在のシステムやプロトコルに生かされていない可能性があります。組織の記憶としての経験が活かされていないということは、システムの見直しが必要であることを示唆しています。

 

〈再発防止策〉

1)訓練と教育の強化:

指令員を含む関連スタッフに対する定期的な訓練と教育プログラムの強化が必要です。特に異常時の対応手順や、予期せぬ事態に対する迅速な判断力を養うためのシミュレーションが重要です。

 

2)情報共有システムの改善:

異なる運営体間での情報共有を効果的に行うためのシステムを構築する必要があります。リアルタイムでの情報交換が可能なプラットフォームの開発が、運行の安全を確保する上で極めて重要です。

 

3)安全文化の醸成:

組織全体で安全を最優先する文化を育成することが求められます。全ての従業員が安全規則の重要性を認識し、それに基づいて行動することが必要です。また、安全に関する問題をオープンに報告しやすい環境を作ることも重要です。

 

〈ポリコレと現代社会の功罪〉

最近の「ポリコレ」重視の動きは、一部で過剰反応とも受け取られていますが、それにより人々の感受性や多様性への配慮が高まるという利点もあります。しかし、これが過敏になりすぎると、創造的な表現や正直な意見交換が抑制される恐れがあります。バランスの取れたアプローチが求められます。

 

JR西日本の例では、これからの取り組みがどれだけ効果的に進められるかが、公共交通機関としての信頼回復に直結します。

安全管理の徹底はもちろんのこと、それに伴う適切なマネジメントの構築が求められています。

 

 

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