サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。

そこで、今回は、「博物館・美術館」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。

 

《博物館・美術館》における危険源の事例》

a. 転倒や滑り事故:

床の滑りや不均一な地面、展示物の配置による障害物による転倒リスク。

 

b. 重量物の取り扱い:

展示物や設置物の運搬や設置に伴う怪我のリスク。

 

c. 化学物質の取り扱い:

保存や修復作業に使用される化学物質による健康リスク。

 

d. 高所作業:

展示物の取り付けや照明設置などの高所での作業リスク。

 

e. 火災リスク:

電気設備の故障や展示物の不適切な保管による火災の可能性。

 

《危険源に対する管理策の事例》

a. 転倒や滑り事故の予防:

床の清掃と整備、滑り止めマットの使用、適切な照明の確保。

 

b. 重量物取り扱いの安全対策:

適切なリフティング技術のトレーニング、補助機器の使用、チームワークの促進。

 

c. 化学物質の安全管理:

適切な保護具の使用、化学物質の安全な取り扱い方法のトレーニング、適切な換気システムの確保。

 

d. 高所作業の安全対策:

安全ハーネスの使用、適切な足場の設置、高所作業に関するトレーニング。

 

e. 火災リスクの低減:

電気設備の定期的な点検とメンテナンス、消防設備の確保、消防訓練の実施。

 

《博物館・美術館に関連する法規制の事例》

a. 労働安全衛生法(労安法):

労働者の安全と健康を確保するための基本法律です。博物館や美術館では、作業環境の安全性の確保、労働者への安全衛生教育、適切な保護具の提供、緊急事態対応計画の策定などが要求されます。

 

b.労働基準法:

労働時間、休憩、休日、残業などに関する労働条件の基準を定める法律です。博物館や美術館の従業員も、適切な労働時間の管理や休息時間の確保に関して、この法律の基準を満たす必要があります。

 

c.消防法:

火災予防と対応に関する法律です。博物館や美術館では、特に価値のある展示物を保護するため、火災予防措置や消防設備の設置と維持、定期的な消防訓練が重要となります。

 

d.建築基準法:

建築物の安全基準に関する法律です。博物館や美術館の建物は、耐震基準や消防安全基準など、建築基準法に定められた規則を遵守する必要があります。

 

e.文化財保護法:

この法律は、文化財の保護と管理に関連します。博物館や美術館で展示される文化財の適切な管理と保護は、従業員の安全と直接関連している場合があり、展示物の取り扱いや保管に関する安全措置が求められます。

 

《博物館・美術館の緊急事態想定と対応手順の事例》

a. 転倒や滑り事故が発生した場合:

事故発生時には速やかに応急処置を行い、必要に応じて医療機関に連絡する。

 

b. 重量物取り扱い中の怪我:

怪我をした場合、直ちに応急処置を施し、必要に応じて医療機関への受診を勧める。

 

c. 化学物質漏洩:

漏洩が発生した場合、直ちに該当エリアを封鎖し、適切な除去作業を実施、必要に応じて医療支援を求める。

 

d. 高所作業中の事故:

落下事故が発生した場合、直ちに安全な場所に移動し、救急手当を行い、緊急サービスに連絡する。

 

e. 火災発生時:

速やかに消火活動を行い、状況に応じて消防署へ通報し、必要に応じて施設の避難を行う。

 

以上が、「博物館・美術館」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。

マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ889号より)

 

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