サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。
そこで、今回は、「神社」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。
《神社における危険源の事例》
a. 転倒や滑り事故:
参道や境内の不均一な地面、濡れた石段などによる転倒や滑り事故。
b. 高所作業のリスク:
神社の建物や鳥居のメンテナンス中の落下リスク。
c. 重量物の取り扱い:
祭事の際の重い物品や装飾品の運搬や設置による怪我。
d. 機械や工具の使用:
庭園の管理や建物の修理に使用される機械や工具による怪我。
e. 野生動物や昆虫のリスク:
境内に生息する野生動物や昆虫による咬傷や刺傷の危険。
《危険源に対する管理策の事例》
a. 転倒や滑り事故の予防:
参道や石段の定期的な清掃とメンテナンス、滑り止めの施工、適切な照明の確保。
b. 高所作業の安全対策:
安全ハーネスの使用、適切な足場の設置、高所作業に関するトレーニング。
c. 重量物取り扱いの安全対策:
適切なリフティング技術のトレーニング、補助機器(台車など)の使用、チームワークの促進。
d. 機械や工具の安全使用:
安全な操作トレーニング、保護具の着用、機械と工具の定期的なメンテナンス。
e. 野生動物や昆虫の対策:
適切な保護具の着用、昆虫忌避剤の使用、野生動物対策のプロトコルの策定。
《神社に関連する法規制の事例》
a. 労働安全衛生法(労安法):
労働者の安全と健康を確保するための基本的な法律です。神社においても、作業環境の安全性の確保、労働者への安全衛生教育、適切な保護具の提供、緊急事態対応計画の策定などが要求されます。
b.労働基準法:
労働時間、休憩、休日、残業などに関する労働条件の基準を定める法律です。神社の職員も、この法律に基づいて適切な労働時間の管理や休息の確保が求められます。
c.建築基準法:
建築物の安全基準に関する法律です。神社の建物や施設も、耐震基準や消防安全基準など、建築基準法に定められた規則を遵守する必要があります。
d.消防法:
火災予防と対応に関する法律です。神社では、特に木造建築物が多いため、火災予防措置や消防設備の設置と維持が重要となります。
e.食品衛生法:
神社で行われる食事提供や祭事に関連して、食品の安全な取り扱いと衛生管理に関する法律が適用される場合があります。食品の取り扱い、保存、衛生的な環境の確保などが求められます。
《危険源に対する神社の緊急事態想定と対応手順の事例》
a. 転倒や滑り事故:
事故発生時、被害者に速やかに応急処置を施し、必要に応じて医療機関に連絡する。
b. 高所作業中の事故:
落下事故が発生した場合、直ちに安全な場所に移動し、救急手当を行い、緊急サービスに連絡する。
c. 重量物取り扱い中の怪我:
怪我をした場合は直ちに応急処置を施し、必要に応じて医療機関に連絡する。
d. 機械や工具による怪我:
事故が発生した場合、直ちに作業を中断し、被害者に応急処置を施し、必要に応じて専門の医療機関に連絡する。
e. 野生動物や昆虫による傷害:
咬傷や刺傷が発生した場合、速やかに応急処置を施し、必要に応じて医療機関に連絡する。
以上が、「神社」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。
マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ885号より)
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