サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。
そこで、今回は、「造園サービス」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。
《造園サービスにおける危険源の事例》
a. 機械や工具の使用による怪我：
チェーンソーや草刈り機などの機械、剪定ばさみや鋸などの鋭利な工具の使用による切創や挟まれ事故。
b. 落下や転倒のリスク：
梯子や足場を使った高所作業、不均一な地面での作業による転倒。
c. 化学物質の曝露：
除草剤や肥料などの化学物質の取り扱いによる健康リスク。
d. 過労や熱中症：
長時間の作業や高温環境での作業による身体的疲労や熱中症。
e. 労働中の交通事故：
道路脇での作業や機材の輸送中における交通事故。
《危険源に対する管理策の事例》
a. 機械や工具の安全対策：
適切な操作トレーニングを提供し、保護具（手袋、保護メガネなど）の着用を義務付ける。
b. 落下や転倒防止策：
安全な梯子や足場の使用、滑り止めの靴を着用し、作業エリアの整備を徹底する。
c. 化学物質の安全管理：
適切な保護具の着用、換気の良い環境での使用、化学物質の取り扱いに関するトレーニング。
d. 熱中症対策と適切な休憩：
十分な水分補給、休憩の確保、熱中症予防のための教育。
e. 交通安全対策：
運転安全教育、車両の定期的な点検、作業エリアの明確な表示と警告。
《造園サービスに関連する法規制の事例》
a. 労働安全衛生法（労安法）：
労働者の安全と健康を確保するための基本法律です。造園サービス業においては、作業環境の危険評価、適切な安全衛生教育の提供、緊急事態対応計画の策定などが要求されます。
b．化学物質の取り扱いに関する規制：
造園作業において使用される肥料、農薬、除草剤などの化学物質の安全な取り扱いと保管に関する規制が含まれます。これは労働者の健康を守るために重要です。
c．作業安全に関する指針：
高所での作業、重機械の操作、鋭利な工具の使用など、特定の作業に関する安全対策についての指針が存在します。これらは労働者が安全に作業を行うためのガイドラインを提供します。
d．労働基準法：
労働時間、休憩、休日、残業など労働条件に関する基本法律です。造園サービス業では、特に季節による業務の変動や長時間労働に注意が必要です。
e．廃棄物処理法：
造園作業から生じる剪定枝や草木の廃棄物の適切な処理に関する法律です。適切な廃棄物の分別と処理は、環境保護の観点からも重要です。
《危険源に対する造園サービスの緊急事態想定と対応手順の事例》
a. 機械や工具による怪我：
事故発生時、直ちに応急処置を行い、必要に応じて医療機関に連絡する。
b. 落下や転倒事故：
事故発生時、被害者を安全な場所に移動し、応急処置を施し、必要に応じて医療支援を求める。
c. 化学物質の曝露：
化学物質の曝露が疑われる場合、被害者を安全な場所に移動し、汚染された衣服を除去し、医療機関での診察を受ける。
d. 熱中症の場合：
発生時、直ちに涼しい場所に移動し、水分を補給し、医療機関での診察を受ける。
e. 交通事故：
事故発生時、安全を確保し、警察と救急車を呼び、事故の詳細を記録する。。
以上が、「造園サービス」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。
マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。
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