サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。
そこで、今回は、「物品賃貸業」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。
《物品賃貸業における危険源の事例》
a. 重機械や機器の操作ミス：
フォークリフト、建設機械などの操作中に発生する事故のリスク。
b. 転倒や滑り事故：
倉庫や搬出入エリアでの転倒、滑り事故。
c. 輸送中の事故：
物品の輸送中に起こる交通事故や物品の損傷。
d. 重量物の取り扱いによる怪我：
重い物品の取り扱いによる筋肉の痛みや怪我。
e. 機器の故障や不具合：
賃貸する機器の故障や不具合による安全リスク。
《危険源に対する管理策の事例》
a. 重機械の安全対策：
従業員に対する適切な操作トレーニング、機器の定期的な点検とメンテナンス。
b. 転倒や滑り事故の予防：
作業エリアの清掃と整理整頓、滑り止めマットの使用、適切な照明の確保。
c. 輸送安全対策：
運転安全教育、車両の定期的な点検、安全な輸送方法の確立。
d. 重量物取り扱いの安全対策：
適切なリフティング技術のトレーニング、補助機器（台車など）の使用、重量物取り扱いに関するチームワークの促進。
e. 機器の安全管理：
定期的な機器点検とメンテナンス、不具合がある場合の速やかな対応。
《物品賃貸業に関連する法規制の事例》
a. 労働安全衛生法（労安法）：
労働者の安全と健康を確保するための基本的な法律です。物品賃貸業においては、作業環境の危険評価、労働者への安全衛生教育、適切な保護具の提供、緊急事態対応計画の策定などが要求されます。
b．労働基準法：
労働時間、休憩、休日、残業など労働条件に関する規定を含む法律です。物品賃貸業では、特に従業員の適切な労働時間の管理や休息時間の確保が重要です。
c．廃棄物処理法：
物品賃貸業において使用された機器や資材の廃棄物処理に関する法律です。廃棄物の適切な分別、運搬、処理に関するルールが定められています。
d．道路交通法：
物品賃貸業に関連する車両の運転や交通に関する法律です。従業員の運転安全教育や車両の安全基準の遵守が求められます。
e．消防法：
火災予防と対応に関する法律です。物品賃貸業においては、特に倉庫や作業場所の火災予防措置や消防訓練の実施が重要となります。
《危険源に対する物品賃貸業の緊急事態想定と対応手順の事例》
a. 重機械の操作ミスによる事故：
事故が発生した場合、直ちに作業を中断し、緊急対応チームによる事故調査を行う。
b. 転倒や滑り事故：
事故発生時、被害者に速やかに応急処置を施し、必要に応じて医療支援を求める。
c. 輸送中の事故：
事故が発生した場合、安全を確保し、警察と救急車を呼び、事故の詳細を記録する。
d. 重量物取り扱い中の怪我：
怪我をした従業員には直ちに応急処置を施し、重傷の場合は緊急医療サービスを要請する。
e. 機器の故障や不具合：
不具合が発生した場合、直ちに機器の使用を中止し、専門のメンテナンスチームによる修理や交換を行う。
以上が、「物品賃貸業」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。
マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。
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