サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。
そこで、今回は、「自動車ディーラー」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。
《自動車ディーラーにおける危険源の事例》
a. 車両の運搬中の事故：
新車や中古車の運搬中に発生する交通事故や車両損傷。
b. 修理作業中の怪我：
車の修理や整備中に起こる切創、挟まれ事故、落下物による怪我。
c. 化学物質への曝露：
塗装や清掃時に使用する化学物質による健康被害。
d. 電気的ハザード：
車両診断装置や修理機器の電気的リスク。
e. 長時間立ち仕事による健康問題：
展示場やショールームでの長時間の立ち仕事による筋肉痛や腰痛。
《危険源に対する管理策の事例》
a. 車両運搬中の安全対策：
定期的な運転技能トレーニング、安全な運搬方法の確立、車両損傷防止のための梱包材の使用。
b. 修理作業中の安全対策：
適切な保護具の着用、安全な作業手順の確立、修理機器の定期的なメンテナンス。
c. 化学物質の取り扱い：
化学物質の適切な保管、使用時の通気性の良い環境の確保、個人防護具の使用。
d. 電気安全対策：
電気機器の安全な使用法のトレーニング、定期的な機器点検、電気安全規程の策定。
e. 長時間立ち仕事の健康対策：
適切な休憩時間の確保、エルゴノミックな作業環境の提供、適切な履物の使用。
《自動車ディーラーに関連する法規制の事例》
a. 労働安全衛生法（労安法）：
労働者の安全と健康を確保するための基本的な法律。自動車ディーラーでは、作業場の危険評価、労働者への安全衛生教育、緊急事態への対応計画などが要求されます。
b.労働基準法：
労働時間、休憩、休日、残業、夜間労働など労働条件に関する基本的な法律。自動車ディーラーでは、特に労働時間の管理や適切な休息確保が重要です。
c．化学物質管理法（化管法）：
職場で使用される化学物質の管理に関する法律。自動車ディーラーでは、車両の清掃や修理に使用される化学物質の適切な取り扱いが必要です。
d．建築基準法：
ディーラー施設の建築に関する安全基準を定める法律。耐火構造や避難路の確保、建物の安全性が規定されています。
e．電気事業法：
電気設備の安全な管理と使用に関する規制。自動車ディーラーでは、特に車両診断装置や修理機器などの電気機器の安全使用が重要です。
《危険源に対する自動車ディーラーの緊急事態想定と対応手順の事例》
a. 車両運搬中の事故：
事故発生時には、直ちに救急処置を施し、必要に応じて警察や救急車を呼ぶ。
b. 修理作業中の怪我：
怪我が発生した場合、直ちに応急処置を行い、状況に応じて医療機関に連絡する。
c. 化学物質漏洩：
化学物質の漏洩が発生した場合、該当エリアを速やかに封鎖し、適切な除去作業を実施する。
d. 電気事故：
電気事故が発生した場合、直ちに主電源を遮断し、必要な応急処置を施す。
e. 長時間立ち仕事による健康問題：
健康問題が発生した場合、作業を一時中断し、医療機関の診察を受けることを勧める。
以上が、「自動車ディーラー」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。
マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。
（※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ883号より）
【好評発売中！】
『できるビジネスマンのマネジメント本』（玄武書房）
https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
（パソコンでアクセスしている方）
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
（携帯でアクセスしている方）
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter：https://twitter.com/ariga9001