サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。

そこで、今回は、「ホテルサービス」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。

 

《ホテルサービスにおける危険源の事例》

a. 滑りや転倒:

濡れた床、散らばった清掃用具、カーペットの端などが原因で発生する。

 

b. 火災のリスク:

厨房設備の誤操作、電気系統の障害、客室内での不注意などによる。

 

c. 重量物の取り扱い:

荷物の運搬や家具の移動による筋肉の痛みや怪我。

 

d. 化学物質の曝露:

清掃時の洗剤や消毒液などの化学物質による健康リスク。

 

e. ストレスと長時間労働:

フロントや客室サービスなど、高いストレスを伴う作業環境。

 

《危険源に対する管理策の事例》

a. 滑りや転倒の防止:

床の清掃後は「滑りやすい床」の標識を設置し、不要な障害物は速やかに除去する。

 

b. 火災リスクの低減:

定期的な火災訓練の実施、消防設備のメンテナンス、スタッフへの火災予防教育。

 

c. 重量物の安全な取り扱い:

適切なリフティング技術のトレーニング、必要に応じて台車やリフトの使用。

 

d. 化学物質の安全な使用:

安全な化学物質の使用方法に関するトレーニング、適切な換気、保護具の使用。

 

e. ストレスと長時間労働の管理:

シフトの適切な管理、十分な休憩時間の確保、ストレスマネジメントのトレーニング。。

 

《ホテルサービスに関連する法規制の事例》

a. 労働安全衛生法(労安法):

労働者の安全と健康を確保するための基本的な法規制。ホテル業界では、作業環境のリスク評価、安全衛生教育、事故発生時の報告義務などが含まれます。

 

b.建築基準法:

ホテル建築の安全基準を定める法律。耐火性、避難経路、防火設備などの安全規格が定められています。

 

c.消防法:

火災予防、消防設備の設置、火災発生時の避難誘導などを規定。ホテル業界では、消防設備の維持管理や定期的な消防訓練が重要です。

 

d.労働基準法:

労働時間、休憩、休暇、残業、夜勤などに関する規制。ホテル業界では、シフトワークや長時間労働に関連して、労働者の健康管理が重要視されます。

 

e.廃棄物処理法:

ホテル業務から生じる廃棄物の適切な処理を規制する法律。

廃棄物の分類、運搬、処理に関するルールが定められています。

 

《危険源に対するホテルサービスの緊急事態想定と対応手順の事例》

a. 滑りや転倒事故が発生した場合:

事故現場を速やかに安全にし、必要に応じて医療処置を行い、詳細な報告と記録を保持する。

 

b. 火災発生時:

直ちに火災警報を発し、緊急避難計画に従って行動する。可能な場合は消火器を使用し、消防隊への通報を行う。

 

c. 重量物取り扱い中の怪我:

怪我をした場合は直ちに応急処置を行い、必要に応じて医療機関に連絡する。

 

d. 化学物質による事故:

化学物質の漏れや誤使用があった場合、直ちに該当エリアを清掃し、必要な医療措置を施す。

 

e. ストレスや長時間労働による健康障害:

従業員が過度のストレスや疲労を訴えた場合、作業を一時中断し、医療機関への相談を促す。

 

以上が、「ホテルサービス」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。

マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ882号より)

 

 

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