サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。
そこで、今回は、「生命保険業」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。
《生命保険業における危険源の事例》
a. 長時間のデスクワークによる筋肉痛や姿勢の問題。
b. コンピュータ画面の長時間使用による目の疲労。
c. ストレス：高い業務負荷や顧客との対応による精神的ストレス。
d. 情報セキュリティ違反による個人情報の流出リスク。
e. 火災や自然災害によるオフィス内での安全リスク。
《危険源に対する管理策の事例》
a. 長時間のデスクワークによる筋肉痛や姿勢の問題:
エルゴノミックなオフィス環境を提供し、定期的な休憩を奨励することで、長時間のデスクワークによる身体的な問題を軽減。
b. コンピュータ画面の長時間使用による目の疲労：
画面フィルターや適切な照明を使用し、定期的な目の休息を促して目の疲労を軽減。
c. ストレス：高い業務負荷や顧客との対応による精神的ストレス：
ストレス管理プログラムの実施、適切な労働時間と休息時間の確保、カウンセリングサービスの提供。
d. 情報セキュリティ違反による個人情報の流出リスク：
情報セキュリティトレーニングと厳格なデータ管理ポリシーの実施。
e. 火災や自然災害によるオフィス内での安全リスク：
火災報知器、消火器の設置、避難訓練の実施により、火災や自然災害のリスクを軽減。
《生命保険業に関連する法規制の事例》
a. 労働安全衛生法（労安法）：
労働者の安全と健康を確保するための基本的な法律です。生命保険業においては、オフィス環境の安全性、作業場の健康リスク評価、ストレス管理、適切な休憩時間の確保、緊急事態対応計画の策定などが重要です。
b．労働基準法：
労働時間、休憩、休日、残業など労働条件に関する規定を含む法律です。生命保険業では、特に精神的ストレスや長時間労働による健康問題に注意が必要です。
c．ストレスチェック制度：
労働安全衛生法の改正により導入された、労働者の心理的負荷の軽減を目的とした制度です。生命保険業では、従業員の精神的健康を守るために、定期的なストレスチェックの実施が求められます。
d．個人情報保護法：
顧客や従業員の個人情報を取り扱う生命保険業においては、個人情報の適切な管理と保護が法律により義務付けられています。これは情報セキュリティとも関連し、労働者の安全衛生と直接関連する可能性があります。
e．廃棄物処理法：
オフィスから出る廃棄物の適切な処理に関する法律です。生命保険業では、特に機密文書の廃棄に関して適切な処理が求められます。
《危険源に対する生命保険業の緊急事態想定と対応手順の事例》
a. 長時間のデスクワークによる健康問題：
従業員が身体的な問題を訴えた場合は、医療機関を受診するよう勧める。
b. 目の疲労：
目の不調を訴える従業員には、適切な休息や医療機関を受診することを勧める。
c. 高ストレス：
従業員が過度のストレスを感じた場合は、カウンセリングや必要に応じて作業負荷の調整。
d. 情報セキュリティ違反：
データ漏洩が発覚した場合は、直ちにセキュリティチームに通報し、対応策を講じる。
e. 火災や自然災害：
緊急事態が発生した場合は、避難誘導に従い速やかに安全な場所へ移動する。
以上が、「生命保険業」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。
マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。
（※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ883号より）
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