2024年5月23日付の北海道テレビ(HTB)が、

『“本番前から壮絶な大人の運動会”は今や昔 場所とりなし 昼で終了 弁当なしで時短も 令和の運動会事情』

という見出しの報道をしていました。

以下に、この報道を要約し、考察しました。

 

《記事の要約》
札幌市のほとんどの小学校では、2024年5月25日から26日、および6月1日から2日に運動会が開催される予定です。運動会の形態が変化していることから、北海道テレビは「令和の運動会事情」を特集しました。

 

東区の東苗穂小学校では、児童たちがリレーの練習に励んでいます。彼らは全力で走り、チームの勝利を目指しています。児童たちにとってリレーが特に楽しみなイベントのようですが、運動会自体が以前とは異なる形で進行しています。

 

今年、札幌市の197校中193校が午前中のみで運動会を終了させ、昼食休憩を取らずに帰宅するスタイルに変更しました。この変更の主な理由は、保護者の負担軽減と、児童の熱中症リスクを減らすことにあります。

 

過去には、運動会の場所取り競争が激しく、一部の保護者は前日から夜通しで待機することも珍しくありませんでした。場所取りを代行する業者も存在し、高額な料金が発生していました。しかし、運動会が午前中のみで終了することにより、こうした場所取りの必要がなくなりました。

 

保護者からは意見が分かれています。一部の保護者は午前中のみの運動会により、仕事との両立がしやすくなったと感じていますが、運動会の醍醐味が失われたと感じる声もあります。また、昔は親同士が集まってお酒を飲みながら楽しむこともあったとのことです。

 

学校側は、全児童が平等に参加できるよう工夫を凝らし、従来の選抜リレーではなく全員が参加する形式を取り入れています。子どもたちは変わらぬ熱意を持って練習に励んでおり、その様子は過去と変わりません。

 

令和時代の運動会は、時間的な短縮とともに、形態や参加方法においても大きな変化が見られます。これにより、児童の安全と保護者の負担が考慮されつつ、新たな運動会の形が模索されています。

(報道の要約、ここまで)

 

《筆者の考察》
運動会は長い間、日本の学校教育の象徴的なイベントの一つとされてきました。伝統的には、地域コミュニティの一体感を醸成し、家族が一堂に会して交流を深める機会としても重要な役割を果たしてきました。しかし、近年、運動会の形態に変化が見られ、特に小学校におけるそのあり方について再考する声が上がっています。

 

《午前中のみでの実施のメリットとデメリット》

「メリット」

1)熱中症リスクの軽減
最近の気候変動による異常気象の中、特に夏場の暑さは子どもたちにとって大きな負担です。午前中のみの実施は、熱中症のリスクを軽減します。

2)保護者の負担軽減
昼食の準備が不要となり、仕事との両立がしやすくなる等、保護者の負担が減少します。

「デメリット」

1)コミュニティとの結びつきの希薄化
全日のイベントが提供するコミュニティとの交流の場が失われ、地域のつながりが弱まる可能性があります。

2)伝統的な魅力の喪失
運動会特有のお弁当を囲む楽しみや、家族間のふれあいが減少します。


《現代の教育課題と運動会》

教育課程の変更や授業時間の増加に伴い、運動会の練習時間が確保しにくくなっています。
これは、教育の多様化と高度化に伴う必然の変化であり、運動会の持つ教育的価値をどう捉え直すかが問われています。

 

《地域文化としての運動会》

運動会はただの学校行事ではなく、地域文化の一環としても重要です。地域の高齢者や異世代が交流する場として、また地域住民が学校と関わるきっかけとしての役割も担っています。
そのため、運動会の短縮や形式の変更は、これらの地域文化にも影響を及ぼす可能性があります。

 

《方向性としての考察》

運動会のあり方を考える上で、次のような点が重要です。

 

1)教育的価値と地域のニーズのバランス
学校教育の目的と地域社会のニーズをどのようにバランスさせるか。

2)安全と参加の確保
特に小学生にとって、安全な環境での充実した活動が提供されるべきです。

3)伝統と革新
伝統的な運動会の価値を尊重しつつ、現代の教育ニーズに応じた形式への革新が求められます。

最終的には、運動会を通じて何を学び、何を社会に伝えたいのかという根本的な問いに答えることが、これからの運動会のあり方を考える上での鍵となるでしょう。

 

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