サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。

そこで、今回は、「葬祭業」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。

 

《葬祭業における危険源の事例》

a. 重量物の取り扱い:

棺や墓石などの重量物を動かす際の怪我のリスク。

 

b. 化学薬品の使用:

防腐処理や清掃の際に使用する化学薬品からの健康への影響。

 

c. 感染症のリスク:

死亡した人の遺体を扱う際の感染症の危険。

 

d. 精神的ストレス:

喪失感を伴う環境での作業による精神的ストレス。

 

e. 長時間労働:

式典の準備や後片付けに伴う長時間労働。

 

《危険源に対する管理策の事例》

a. 重量物の取り扱いには、適切なリフティング技術のトレーニングを提供し、必要に応じてリフトや搬送機器を使用する。

b. 化学薬品を使用する際には、適切な換気を確保し、個人防護具を着用することで、職員の曝露を最小限に抑える。

c. 感染症の予防として、遺体の取り扱いには保護手袋やマスクの使用を義務付け、適切な衛生管理を実施する。

d. 精神的ストレスに対処するため、カウンセリングサービスを提供し、必要に応じて職員がサポートを受けられるようにする。

e. 長時間労働を避けるために、シフト管理をしっかり行い、十分な休息が取れるよう配慮する。

 

《葬祭業に関連する法規制の事例》

a. 労働安全衛生法:

作業環境の安全基準を設け、労働者の健康確保のための措置を義務付ける。

 

b. 化学物質管理法:

化学物質の適正な管理と使用を規定し、職場での安全確保を求める。

 

c. 廃棄物処理法:

葬祭業で発生する廃棄物の適正な処理方法を規定する。

 

d. 感染症法:

感染症予防として、遺体の取り扱いにおける衛生管理を徹底することを求める。

 

e. 労働基準法:

労働時間、休憩、休暇などの労働条件を定め、労働者の権利を保護する。

 

《危険源に対する葬祭業の緊急事態想定と対応手順の事例》

a. 重量物を扱う際の事故:

スタッフが怪我をした場合、直ちに医療処置を行い、必要に応じて医療機関に連絡する。

 

b. 化学薬品による事故:

化学薬品の漏れや誤使用が発生した場合、該当エリアを速やかに清掃し、被曝した職員には応急処置を提供する。

 

c. 感染症の疑いがある場合:

感染症の可能性がある遺体を取り扱った後は、直ちに衛生的な手洗いと消毒を実施し、衣類を交換する。

 

d. 精神的ストレスによる職場での問題:

職員が過度のストレスを感じた場合は、速やかに心理的サポートを受けることができるよう手配する。

 

e. 長時間労働による健康障害:

労働時間が長引いて体調不良を訴えるスタッフがいた場合、休息を取らせると共に、医師の診察を受けさせる。

 

以上が、「葬祭業」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。

マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ880号より)


 

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