サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。

そこで、今回は、「運送業」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。

 

《運送業における危険源の事例》

a. 交通事故のリスク:

運転中の衝突や横転などの交通事故は、運送業における最も一般的な危険源です。

 

b. 長時間運転による疲労:

長時間の運転は疲労を引き起こし、反応時間の遅延や判断力の低下を招きます。

 

c. 積み荷の移動や落下:

不適切な積荷の固定や重量物の取り扱いにより、荷崩れや落下の危険があります。

 

d. エルゴノミクスリスク:

運転席の不適切な設計や長時間の同じ姿勢での作業は、運転者の体に慢性的な痛みや障害を引き起こす可能性があります。

 

e. 道路の危険状況:

悪天候や未整備の道路は、スリップや車両のコントロールを失う原因となります。

 

《危険源に対する管理策の事例》

a. 交通事故防止のために、運転手に対して定期的な安全運転研修を行い、安全運転技術の向上を図る。

 

b. 疲労を防ぐために、運転手の勤務時間と休息時間を法律で定められた規則に基づいて管理し、シフト制度を導入する。

 

c. 積み荷の安全管理のために、荷物の積み下ろしに適切な機器とプロトコルを使用し、荷物の固定と重量配分のチェックリストを作成する。

 

d. エルゴノミクスリスクを低減するために、適切な座席の調整と定期的な休憩を促すことで運転席の環境を改善する。

 

e. 道路の危険状況に対応するため、悪天候や危険が予測される場合はルートの変更や運行の延期を検討する。。

 

《運送業に関連する法規制の事例》

a. 労働安全衛生法:

労働者の安全と健康の確保を目的として、運送業者に対して安全衛生管理体制を構築することを要求します。

 

b. 道路交通法:

運送業においては、運転手がこの法律の定める交通規則を遵守することが求められます。

 

c. 労働基準法:

労働時間、休憩、休日などの運転手の労働条件を規制しています。

 

d. 貨物自動車運送事業法:

運送事業に従事する事業者に対して、安全管理に関する基準を定めています。。

 

《危険源に対する不動産業の緊急事態想定と対応手順の事例》

a. 交通事故が発生した場合:

直ちに車両を安全な場所に停止させ、必要に応じて救助を呼びます。事故現場を安全に保護し、関係機関への報告と記録を行います。

 

b. 長時間運転による疲労感が高まった場合:

運転者は疲労を感じた時点で休憩を取り、場合によっては事業者に連絡して交代の運転手を手配します。

 

c. 積み荷が移動や落下した場合:

安全な場所に車両を停止させ、積荷の確認と再固定を行います。必要に応じて追加の固定材料を使用し、他の車両や人に危害が及ばないようにします。

 

d. 運転席のエルゴノミクス(人間工学)に問題がある場合:

運転者は直ちに問題を報告し、調整または適切な対応を行います。長期的な解決策として、車両の座席や操作系の改善を検討します。

 

e. 道路の危険状況に直面した場合:

運転者は安全を最優先に考慮し、必要に応じて速度を落とす、停止する、または運行を中止する判断を下します。通信機器を用いて事業者に現状を報告し、指示を仰ぎます。

 

以上が、「運送業」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。これらの事例は、具体的な対応策やプロセスを設定する際の参考として使用できます。

マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ879号より)

 

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