個人的には、環境マネジメントシステム(ISO14001)の審査やコンサルティングに関わるようになって、久しい。

大昔は、サービス業における環境側面は、いわゆる事務所で生じる「紙ゴミ電気」系ばかり。

最近では、「環境側面」の考え方が世の中に浸透し、そのようなケースは少なくなりました。今回は、「遊園地及びテーマパーク」について、環境側面(できるだけ業種固有のもの)や法規制の事例を挙げてみたいと思います。

 

《遊園地及びテーマパークにおける環境側面の事例》

・エネルギー消費(電力、ガス)

・水使用量

・廃棄物生成(食品廃棄物、梱包材料)

・化学物質の使用(清掃、プールの消毒)

・排水と水質

・大気への排出(交通、エネルギー源)

・騒音(音楽、アトラクション)

・地域社会への影響(交通渋滞、騒音)

・照明(夜間照明)

・土地利用と土壌影響

・生態系への影響(地形変更、汚染)

・温室ガス排出

・園内の動植物への影響

・資源の使用(食材、装飾材料)

・訪問者の交通とその影響

 

《有益な環境側面の事例》

1)再生可能エネルギーの導入:

太陽光発電や風力発電を利用してエネルギーを生成し、CO2排出を削減する。

2)リサイクルプログラム:

廃棄物のリサイクルプログラムを実施して、廃棄物の量を削減し、リサイクル資源を再利用する。

3)エコフレンドリーなランドスケーピング:

土壌の保護と生態系の保全を目的とした環境に優しいランドスケーピングを実施する。

4)エコロジカルな建材とデザイン;

環境に優しい建材やデザインを採用して、エネルギー効率を向上させ、環境への影響を最小限に抑える。

5)環境教育プログラム:

訪問者に環境保護の重要性を教え、環境に配慮した行動を促進するプログラムを提供する。

 

《遊園地及びテーマパークに関連する環境法規制の事例》

◆廃棄物の処理及び清掃の推進に関する法律 - 適切な廃棄物管理と処理を促進する。

◆大気汚染防止法 - 大気への有害物質の排出を制限し、規制する。

◆騒音規制法 - 騒音レベルを制限し、地域社会への影響を低減する。

◆水質汚濁防止法 - 水質の保護と水資源の効率的な利用を促進する。

◆都市緑地法 - 緑地の保全と管理を推進し、環境美化を図る。。

 

《遊園地及びテーマパークの緊急事態の事例》

1)化学物質の漏洩

対応手順:漏洩エリアを隔離し、適切な清掃と処理を行う。再発防止策を検討し、実施する。

 

2)火災

対応手順:火災報知器と消火設備を利用して火を消し、避難指示を実施する。火災の原因を調査し、再発防止策を検討する。

 

3)水質汚染

対応手順: 汚染の原因を特定し、汚染源を制御または除去する。汚染が拡散しないように適切なバリアを設置し、清掃を行う。関係当局と連携し、必要に応じて周囲のコミュニティに警告する。将来の汚染を防ぐための対策を検討し実施する。

 

4)野生動物との接触

対応手順: 野生動物との接触が発生した場合、専門家や関係当局に連絡する。観光客と従業員の安全を確保し、動物が安全にリロケートされるまで該当エリアを封鎖する。動物との接触を防ぐための教育とプロトコルを提供し、適切な警告標識を設置する。

 

5)エネルギー供給の中断

対応手順: 緊急電源を利用して重要なシステムと設備を稼働させる。観光客と従業員に情報を提供し、必要に応じて避難プロセスを導入する。エネルギー供給が復旧するまでの対処計画を実施し、将来の供給中断を防ぐための対策を検討する。

 

これらの事例と対応手順は、遊園地およびテーマパークが環境側面と環境影響を考慮し、法規制およびその他の要求事項に対応しながら緊急事態に効果的に対処する方法を示しています。各テーマパークや遊園地は、ISO 14001:2015の要件を満たすために独自の環境マネジメントシステムを設計し実施する必要があります。

 

以上が、「遊園地及びテーマパーク」におけるISO14001に基づく環境側面、有益な環境側面、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。これらの事例は、具体的な対応策やプロセスを設定する際の参考として使用できます。

マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ874号より)


 

【好評発売中!】

『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓

(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)

http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

Twitter:https://twitter.com/ariga9001